前回の一節を再掲します。
社長になる前のエアコン事業部長時代から、山下さんは日々の思いを大学ノートに綴っていたそうで、そこにこう書いています。「BSやPLはいずれも過去の業績の表示であって、会社の未来価値を示すものではない。未来は永久に未知の世界である。会社の将来性に対してアテになるのは資本金や資産価値ではない。“人間だけ”だ」。
ここで、また付け足しになるのですが、松下幸之助さんはこんなことを言っています(松下さんは“衆知による経営”を非常に重視されています)。
「よい人を得、育てることを強く願い、そのことをなによりも優先して取り組んできた。創業して10年ほど経った頃から『松下電器は物をつくる前に人をつくる会社である』と言い続けてきたが、それもそのような理由からであった」
「“素直な心”は、何ものにもとらわれず、物事をありのままに見ることのできる心である。したがって素直な心になれば物事の実相が見える。それに基づいて、何をなすべきか、何をなさざるべきかということも分かってくる。なすべきを行ない、なすべからざるを行なわない“真実の勇気”もそこからわいてくる」
「世の為、人の為になり、ひいては自分の為になるということをやったら、必ず成就します。無理に売るな。客の好むものも売るな。客のためになるものを売れ」
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