当然ながら、既存の大手航空会社はLCCに乗客を奪われ、価格競争は激化。スイス航空やサベナ航空、ユナイテッド航空やヴァリグ・ブラジル航空など、大手航空会社が相次いで経営破綻、倒産し、そのうちのいくつかは姿を消しました。
国内でもANAが「Peach ピーチ・アビエーション」を、JALもLCC統合を進め、今年春には「ZIPAIR(ジップエア)」を就航させました。皮肉にもZIPAIR就航初便は、人を乗せない貨物便として運航するという世界でも聞いたことがない事態になり話題になりました。
ただ、当初から「乗客+貨物」での収入を計画したとのこと。つまり、ZIPAIRはある意味、「先見の目があった」ということなのかもしれません。
いずれにせよ、航空業界はコロナでどうやって生き残るかが喫緊の課題で、コロナ終息後は、「機内サービスが変わる時代」に突入したと個人的には考えています。
「客室乗務員はやがてAIに取って代わられて、必要なくなるのでは?」という人たちがいますが、客室乗務員の任務はサービスではありません。あくまでも「保安要員」です。
サービスはAIに任せることができるかもしれない。でも、「人の命」を守ることは、「人」にしかできない。となれば、コロナ禍で削減した「客室乗務員の穴」を、コロナ後どうやって埋めるのか?サービスはどうするか?人の命はどうやって守るか?「乗客の命を守る」ために、「客室乗務員とAI」をどのように共存させるのか?はたまた「乗客の命の守り方=保安」の概念を、まったく今までにない新しいカタチにするのか?例えば、パラシュートを背負って乗るようになるとか…。
とにもかくにも「え?マジで?」というような価値観の変化が求められている。そういったことまで考えた航空会社が、30年後残っていくのだと思います。
そして、「生産性」を追求するあまり、乗務時間を長くし、賃金を減らし「人」を酷使してきた手法をとってきた会社は淘汰されていくのです。
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