なぜ日本は負けた?韓国政府の“成果物”としてのK-POPとBTS世界制覇

 

韓国政府が K-POP のプロモーションにどのくらい税金を使っているかを調べたところ「Korean Government To Spend $25 Million USD On Online K-POP Concerts Next Year」という記事が見つかりましたが、この$2 million(25億円強)は、K-POPグループがオンラインでコンサートを開催するのを補助するお金でしかなく、全体では2021年に$584.8million(600億円弱)をK-POPに代表される韓国のカルチャー(”Korean Wave”)をプロモートするために使うそうです。

なぜ韓国のKorean Wave政策がこれほどまでの成功を納め、日本のクールジャパンが何も生み出していないかについては、丁寧な検証が必要だと思いますが、「『クールジャパン』はこんなにひどいことになっていた」「迷走『クールジャパン』 相次ぐプロジェクト失敗でムダ金に」などを読むと、おおよその姿が見えてきます。

この中で、最も無責任な失敗投資が株式会社「ALL NIPPON ENTERTAINMENT WORKS」(ANEW)といえるだろう。

 

ANEWは、経産省が主導し官民ファンド・産業革新機構が2011年に総額60億円、100%出資という形で設立された官製映画会社である。その事業目的は、コンテンツの海外展開として日本の知的財産を活用しハリウッドで映画を製作するというものだった。

 

しかし、ANEWは映画7作品の企画開発を打ち上げたが、1本も映画制作に至ることなく、2017年5月にベンチャーキャピタルに3,400万円という破格の価格で身売りした。その結果、産業革新機構が投資した22億2,000万円の出資をほぼ全額が損失した(「『クールジャパン』はこんなにひどいことになっていた」)。

日本の場合、この手の予算があると、必ず電通のような会社が政府の代わりに動くことによって手数料を稼ごうとするし、さらにそこには、政府のお金を「甘い汁」だとしか考えていないシロアリのような人たちが大勢集まってくるので、こんなことになってしまうのです。

image by: Tinseltown / Shutterstock.com

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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