心理学者が指南。繊細さんを幸せにする「生産者的人格」と快楽主義とは?

 

不安は常在する

こうした「不安による支配」状態から自分を解放し、主体性を取り戻して自由を楽しむためには、自分の中の「生産者的人格」を強化する必要があります。

自分自身が無意識に追いかけている「価値」は何か? こうした根本的な問題を意識化できれば、後は、自分に正直に、草食動物のように猛獣から「追われる」状況を少しでも減らし、肉食獣のように自分が餌を「追う」状況を増やせば良いのです。

生産者とは、何かを作り出す人ですが、自分が求めるもの、自分の追いかけているものがはっきりしなければ、何も作れませんね。

ですから、自分にとって本当に「好き」な物事、何が自分にとって「気持ち良いのか」をはっきりと見極め、遠慮することなく、それらを追求しましょう。

その過程で、自分で作ったり、サービスしたり、発信したりする「生産者的能力」を高めて行けば良いのです。

何も、それらが最初から換金可能である必要はありません。稼げれば稼げたでそれは結構なことですが、当面は、他人様に喜んでいただければ「それで良し」とすべきでしょう。世の中は、もっとたくさんのボランティアを求めています。

自分の好きなものを追いかける生き方は、不安により人を操ろうとする人たちや操られている人たちからは、ネガティブな意味で「快楽主義」のレッテルを貼られるでしょうが、気にする必要はありません。

「快楽主義」結構! ”Going my way”、「我が道」を行けば良いのです。

そもそも、この世から不安の種が一掃されることはありません。

不安を無くすことなど、誰にもできないのです。

神ならぬ人間は全知全能ではありません。どれほど目覚ましく科学が進歩し、平等公正な情報の共有が可能になったとしても、常に未知の脅威は存在し続け、絶えず人類を悩まし続けるに違いありません。

そんな時に、「安心」を約束してくれる者がいるとしたら、それは詐欺師か独裁者か、はたまた悪魔か、いずれにしても、ろくなものではありません。

そうした「安心保障」の罠にはまらないためには、不安を減らそうなどと考えずに、ひたすら、我が道を突っ走ることです。

そして不安が存在することは「世の常」と悟って、不安を忘れてしまう勢いで、自分にとっての「快楽」を追求しましょう。快楽の総量が不安を上回るようにすれば、不安に支配されることもなくなります。

王侯貴族であれ、貧民であれ、その人生に与えられた時間は同じように限られています。

問題は、その与えられた時間をいかに生きるかです。

不安の多くは「未来」に属しています。ですから、ひたすら精神を「今」に集中して、今を充分に楽しむことさえできれば、未来についての不安などどうでも良くなるものです。

何しろ、本当に確かなものはこの瞬間、今現在しかないのですから。

image by: Shutterstock.com

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