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ロリコン教師、なぜ逮捕後に教壇復帰?40歳年下女生徒に欲情、学校教育最大の暗部

ソフトボール部員の女子生徒にわいせつな行為をしたとして、京都西山高(京都府向日市)の教諭(61)が懲戒解雇処分を受けていたことがわかった。元教諭は部員の女子生徒1人を同市内の自宅へ呼び出し、試合のビデオを見せるなどした後、生徒の体に触れたり抱きついたりしたという。なぜわいせつ行為に及ぶ教師が減らないのか?そこにはSNSの発展や、教員任用制度の問題が関連している。

ロリコン教師が“異常繁殖”わずか2ヶ月間に4回逮捕も

全国各地で教師によるわいせつ事件が多発している。

新型コロナウイルスの影響で休校していたはずなのに、いざ学校を再開させたらわいせつ行為に及ぶ教師が続出するという笑えない話。教師としてのモラルはどこへ行ってしまったのか。

例えば、千葉県。県の教育委員会は10月14日に会見を開き、わいせつ行為や盗撮などにより男性教員5人を懲戒処分にしたことを発表した。この内の4人が、9月のたった1か月でわいせつ事件を起こしている。

また、栃木県の那須烏山市の公立中学校に勤務していた29歳の男性は、わいせつ関連で今年の6月から7月にかけてなんと4回も逮捕されている。とんでもないハレンチ教師だ。

わいせつ行為等で処分された教員数が過去最高を記録

文部科学省が2019年に明らかにしたデータによると、わいせつ行為などで処分を受けた教員は282人にのぼり、過去最多を記録(2018年度)。前年度の210人から72人も増えている。

わいせつ行為の内訳としては、「体に触る」89人、「盗撮・のぞき」48人、「性交」41人の順に多かった。スマートフォンの普及やカメラの小型化の影響から、手軽に写真を撮ることが可能となり、盗撮行為が増えてきていることがわかる。

なぜ、いつまでたっても教師によるわいせつ行為が減らないのか?再発防止やスクールコンプライアンスが叫ばれる中、減少するどころか増加してしまう原因は一体何なのか?

そこにはSNSの普及が関係しているといえそうだ。

実は文部科学省でも、わいせつ行為などでの処分が過去最多となった理由として、「SNSの普及で教員と子どもが学校外でもつながりやすくなっていることが一因ではないか」と指摘。不祥事を起こす教員の若年化も進んでいることから、因果関係があると認めざるを得ない。

便利なはずのSNSがハレンチ教師のわいせつ行為のツールとなっている現状があるのだ。

わいせつ行為の多くがSNSきっかけ

SNSを利用した、教師によるわいせつ行為事件が後を絶たない。

2019年度までの5年間で「懲戒処分を受けた496人のうち、少なくとも241人が教え子らとSNSなどで私的なやりとりを介して、わいせつ行為などを行っていたことがわかった」と読売新聞は報じている。

事務連絡の手段として学校現場で広く使われているSNSが、子どもたちへのわいせつ行為に悪用されている実態が浮き彫りとなったのだ。

現在、SNSやメールを電話に代わる「緊急連絡網」として利用する学校は多いが、私的なやり取りは禁止されていることがほとんど。

読売新聞が行った全国調査でも、全国67教委のうち7割にあたる48教委が、通知や内規などで教員と児童生徒らとの私的なやりとりを禁止していたことが判明している。

しかし、裏を返せば、約3割もの教育委員会がSNSによる私的なやり取りを禁止していないということを意味している。これは各教育委員会の意識や危機感が薄いと言わざるを得ない。

萩生田文部科学相も13日の記者会見で、部活動などでSNSが利用されていることに理解を示しつつも、「教員と生徒が個別にプライベートなことでやりとりするのはあってはならない。徹底していきたい」と強調している。

SNSを悪用するような教師が増えているならば、何か規制を設ける必要が出てくるのは当然だろう。

ロリコン教師は何度も復帰できる

教師によるわいせつ行為が多い理由はSNSの普及だけではない。教師の任用制度にも大きな問題がある。

他の性犯罪と同様、「ロリコン」や「盗撮」といった性癖はなかなか治らないため、教師のわいせつ行為は再犯率が高い。そのため、性犯罪を繰り返し行う教師が多いのだ。

しかし、懲戒免職などの処分を受ければ、もう教員ではないはず。なぜわいせつ行為を何度も行ってしまう教師が生まれてしまうのか?

実は現行制度では、教員免許状は懲戒免職などによって失われたとしても、3年で再度取得することでき、職場復帰も可能となっている。教壇へ復帰したわいせつ教師が、再び生徒たちに手を出せてしまうという事実がここにある。

その実例として、2018年に愛知県の市立小学校で児童にわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた元臨時講師の男は、その5年前にも児童ポルノ禁止法違反で罰金刑を受けていた。

停職6カ月の懲戒処分となり依願退職したが、その後、男は処分歴を隠し、下の名前の漢字を変えて2015年に採用。子供たちにわいせつ行為を再びするために、教師に復帰したようなものだ。

文部科学省は懲戒免職や禁錮以上の刑で免許が失効した教員の再任用を防ぐため、2019年度から全国の教委が処分歴をチェックできるシステムの本格運用を始めた。

このシステムのおかげで検索が簡単になったという声がある一方、個人情報保護の関係で詳細までわからないこともあり、わいせつ教師の再任を完璧に防げるというわけではなさそうだ

二度と教師に復帰できない厳罰を

文部科学省の発表によると、2019年度の国内の小学校の児童数は前年度比5万9322人減の636万8545人、中学校の生徒数は同3万3555人減の321万8115人となっている。

児童数は減少しているのに、わいせつ行為などで処分を受ける教員数は過去最高を記録しているという矛盾。教師によるわいせつ事件が相次ぎ、子どもを預ける保護者達からの信用も失っている。

もちろん処分を受けた教職員は全体の0.02%ほどにすぎず、多くの教師たちは子どもたちのために日々奮闘している。わずかな数のハレンチ教師たちのせいで同じような目で見られてしまっては、やるせないだろう。

文部科学省は現在3年となっている欠格期間を5年に延長することを検討しているという。しかし、そんな中途半端な制度ではなく、教育の道に一切復帰できない仕組みを作ることの方がよっぽど大切である。

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