批判する人こそ昭和脳?高校野球「ノック素手捕球でケガ」事件の本質とは

 

一番、気になるのは打球のスピードだが……

「怪我をした1年生部員が野手としてどのくらいの実力があったのか?」は分からないが守備の得意な選手ではなかったのだろうと思われる。外野手の守備練習はフライやライナーが中心なので1年生部員は内野手であり、セカンドかサードかショートのいずれかだったと思うがこれだけ大きく取り上げられてしまうとメンタル的にきついものがあるだろう。本気で甲子園出場を狙っている高校の1つだと思うので「監督が1カ月もの間、生徒を指導できない。」というのは大きなマイナスである。恨みを買う可能性は否定できない。

記事を読んで最も気になるのは『ノックのボールがどのくらいの強さだったのか?」である。打球の強さに関する情報は書かれていないが捕球の感覚をつかむ練習のときに痛烈な打球を打ってもほとんど意味はない。感覚をつかむ練習の場合、ノックのボールの速さは相当に加減をするのが通常である。ノックではなくて軽く手で投げる方がむしろ一般的なやり方だと思うが、一番、キーになる「打球の強さ」が書かれていないので何かを世間に訴えたい記事としてはかなり不親切であり、かなり不十分な記事のように感じられる。

グルーブをはめていた時と同じ程度のスピードでノックを打って怪我をしてしまったのであれば「監督を擁護するのは難しい。」と言えるが、先のとおり、感覚をつかむ練習のときに速い打球を打つのは適切ではない。どのくらいのスピードの打球を打ってどういう感じでボールが当たって実際にどのくらいの怪我の程度なのか?がはっきりしないと監督や高校を批判することは出来ないと思うが「野球の知識がほとんどないのでは?」と思える人が寄って集って監督や高校を批判している現状には何とも言えない怖さを感じてしまう。

昭和的なもの

「1年生部員がうまく捕球できなくて腹が立ってムシャクシャして監督が素手での捕球を指示した。」という風に勝手にストーリーを描いて批判をしている人も少なくないように感じるが「普通にノックをして素手で捕球をさせたら大きな怪我につながる可能性があること」くらいは高校の部活で監督をしている人であれば誰でも理解しているだろう。本件について「昭和的な出来事」、「もう令和の時代なのに」とかなり批判されているが批判をしている人の方が最新の事情をアップデートできていない「昭和の人」のように思える。

野球やスポーツに限った話ではないと思うが何でもかんでも「昭和的」や「古臭い」や「時代遅れ」と断罪する人はどうかと思う。平成の時代が30年以上あったので昭和の時代は30数年前になるが進歩しているところもあるし、大して変わらないところもあるし、むしろ、退化しているのでは?と思うところもある。小学生の低学年のときに昭和から平成になっているので昭和のことをそこまで覚えているわけではないが「昭和的なもの」や「昔のもの」に対するリスペクトがあってもいいのではないか?と個人的には考える。

監督が普通にノックをして1年生部員が怪我をしたのであれば話は変わってくるが「捕球の練習の一環」と思われる指導のときにボールが当たって病院に行って挫傷と診断されて全国に広まるほどのニュースになるというのは「令和的」である。1年生部員の親から抗議があったのか?否か?は分からないが10月7日(水)に校長と部長が部員の父親に謝罪をしたという。「父親がどういう感じで監督や学校と話をしたのか?」は分からないが学校生活や部活のときに親が絡んでくるのは昭和の時代にはあまりなかったのでは?と思う。

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