(3)対中の行方
最後に、対中問題も書いておきましょう。アメリカに住む移民としては民主党政権になる方が日々の生活はしやすいのですが、同時に母国日本の将来を思う日本人としては、対中問題がどうしても気になります。
実はこれがあるから、ニューヨーカーたちがめちゃくちゃ喜んでいても、心の底から喜べない理由の1つでした。対中問題は中国企業への規制などに注目が集まりがちで、それも当然重要ですが、日本にとって非常に大きな問題はやはりは尖閣諸島問題でしょう。
トランプさんが取っていた対中強硬姿勢は極端には変わらないとは思いますが、バイデンさんは親中派として有名ですし、尖閣諸島に関しては様々な疑念が出ているので、日本政府としては早い段階で話をしておきたいところ。
そして早速日本政府はバイデンさんと電話会議したとのことで、発表によると、「バイデン次期大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明があり、日米同盟の強化、また、インド太平洋地域の平和と安定に向けて協力していくことを楽しみにしていく旨の発言がありました」とのことです。加えて、北朝鮮拉致問題についても話し合いが必要ですよね。
● バイデン次期米国大統領との電話会談についての会見 | 首相官邸ホームページ
以上、日本人としては懸念が残る新政権ですが、新しく変わるということは必然的に変化が起きますし、民主党政権はグローバル思考なので、海外事業展開したい日本企業にとっても追い風にはなるでしょうから、今後は以前よりも海外情報が重要になるのではないかと思います。
個人的には好き嫌いの感情がありますが、それでもあの地位まで上り詰めたバイデンさんとハリスさんはすごい人ということで、偏りのない目で動向を追っていきたいと思います。
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