NTTのドコモ完全子会社化に物申す。孫社長「光の道」の失敗を教訓とせよ

 

今回の意見書を見ていると、5G時代を迎えて、今こそ、「光の道」構想が必要なんじゃないかと思えてきた。全国津々浦々、5G基地局を展開するにはNTT東西が持つ光ファイバーは不可欠だ。しかし、NTTドコモと一体となれば、競争事業者が脅かされることになる。

それならば、NTTグループからインフラ部門を切り離し、「インフラ専業会社」として、NTTだけでなく、KDDIやソフトバンク、楽天モバイルも好きなだけ出資できる会社にしてしまえばいい。それであればNTTグループはインフラを持たず、ドコモ、コミュニケーションズ、データ、東西の電話と通信サービスを提供するだけの会社に一本化してもいいのではないか。

インフラ専用会社が5Gの基地局も手掛ければ、4社がシェアリングして使え、それぞれの設備投資額も抑えることができる。メインブランドでの値下げも夢ではない。総務相も公正取引委員長も、NTTによるNTTドコモの完全子会社化を黙って指をくわえて見てるのではなく「ドコモを完全子会社化したいならインフラ部門は切り離せ」ぐらいの提案をかけてもいいのではないか。

かつて、4社目として携帯電話事業に参入していたイーモバイルがソフトバンクに買収された時も、総務省や公正取引委員会は機能していなかった。あの時、公正取引委員会が止めに入っていたら、日本の通信市場は今まで以上に競争が活性化していた可能性もゼロではなかった。

総務省と公正取引委員会はセンスがなさそうなので、誰かが菅総理に耳打ちし、「NTTからインフラ部門を切り離せ」と提案できないものか。5G時代こそ光の道が求められているし、孫社長には再び、光の道構想をぶちまけてもらいたい。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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