政府は一般の国民に対する新型コロナウイルスのワクチンについて、先行接種の対象以外の人は早ければ5月からの接種を目指す方針を固めた。読売新聞などが報じた。ワクチン接種をめぐっては、平井卓也デジタル改革担当相が「マイナンバーとひも付けておけば、間違いが起きない」と発言。一方、ワクチン接種担当となった河野太郎行革担当相がNHKが報じたスケジュールを否定するなど、混乱も起きている。
河野大臣がNHKのワクチン接種スケジュールを否定
河野氏が担当大臣に任命され、いよいよ動き出した新型コロナウイルスのワクチン接種。できるだけ早い時期の接種開始が望まれる中、河野氏は「国民が安全で有効なワクチンを一人でも多く、一日でも早く接種できるよう全力を尽くす」と語っている。
そんな河野氏が20日午前7時過ぎに投稿した自身のツイッターの中で、「うあー、NHK、勝手にワクチン接種のスケジュールを作らないでくれ。デタラメだぞ。」とコメントし、NHKが報じたスケジュールの誤りを指摘した。
うあー、NHK、勝手にワクチン接種のスケジュールを作らないでくれ。デタラメだぞ。
— 河野太郎 (@konotarogomame) January 19, 2021
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NHKは厚生労働省が作成した新型コロナワクチン接種のスケジュールをもとに報じたとみられ、
- 【2月下旬めど】 1万人の医療従事者
- 【3月中旬めど】 300万人の医療従事者
- 【3月下旬めど】 高齢者
- 【4月以降~】 基礎疾患のある人を優先して順次
というスケジュールになっていた。
河野氏のツイッターを受け、立憲民主党の原口一博氏は「厚労省で進めてきたスケジュールではないの? 誰の説明を信じて計画を練ればいいのか?」と反応。
厚労省で進めてきたスケジュールではないの?
誰の説明を信じて計画を練ればいいのか?SNSで反射的な反応するのは控えた方が良いと思う。(もし河野さんの思い描いているスケジュールが正しいとしても) https://t.co/uWAGtK7Tew pic.twitter.com/UfZBibdAmd— 原口 一博 (@kharaguchi) January 19, 2021
厚生労働省の資料によると、「新型コロナワクチンの接種体制の構築(スケジュールのイメージ)」と書かれており、NHKが報じたスケジュールで確定したわけではないとみられる。
いずれにせよ、早期のワクチン接種を目指していることから関係省庁で混乱が生じているようだ。
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平井大臣「ワクチン接種はマイナンバーとひも付けを」
一方、平井卓也デジタル改革担当相は19日、閣議後の記者会見で「マイナンバーとひも付けておけば、間違いが起きない」と発言。
2回目の接種の際に引っ越しなどで住所が変わっても把握がスムーズだと指摘し、「今回使わなくていつ使うんだと私自身思っている。使わないのははっきり言って不作為だ」と強く主張した。朝日新聞などが報じた。
国はワクチン接種は全額国費で接種できるようにする方針で、公的医療保険の健康保険証が使われることはない。そのため、実際に接種を行う現場で混乱が起きることなどが予想される。
マイナンバーは個人を特定する唯一の番号で、それにワクチンをひも付ければ余計な問題や間違いが減るということが平井氏の考えだ。
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平井氏は河野氏に全力で協力するとした上で、このマイナンバーひも付け案を提言することを明かし、内閣官房IT総合戦略室などの職員を河野氏の下に派遣することも検討するとした。