有馬キャスターの「強制降板」でNHK受信料支払い拒否が加速?官邸に忖度、視聴者無視の公共放送に疑問と怒りの声

2021.02.10
by tututu
NHK&有馬キャスター
 

NHKの看板ニュース番組『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスター(55)が3月末で番組を降板することになったと週刊文春が報じた。有馬キャスターは昨年10月、菅義偉首相が同番組に生出演した際に学術会議問題について斬り込んだことで、首相を“怒らせた”と言われ、それが今回の降板劇に繋がったとみられている。NHKが政府に忖度した形となり、大きな波紋を呼びそうだ。

菅首相を怒らせた有馬キャスターが“忖度”降板

12月11日付の朝日新聞によると、NHKは「所信表明の話を聞きたい」として菅首相に出演を依頼。しかし、予定には“なかった”学術会議問題について有馬キャスターは、「説明が欲しいという国民の声もあるようには思うんですが」と問いただした。

菅首相は「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」と答え、明らかに不機嫌な表情を浮かべていたという。これに対し、坂井学官房副長官は「NHKはまったくガバナンスが利いていない」と怒りをあらわにしていた。

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今回の有馬キャスターの降板はこれが大きな原因になったとみられている。いってみれば、菅首相に“恥をかかせた”NHKに官邸が激怒し、有馬氏のクビを切ることで事態の収拾を図った形といえる。

全国民の基盤に立つ公共放送機関として、「政治上の諸問題は公正に取り扱う」「報道は事実をまげない」と明記しているNHK。しかし、有馬キャスターの降板は明らかに政府に“忖度”したといえそうだ。

受信料問題で迫る政府に逆らえないNHK

昨年9月に菅首相が就任して以来、NHKは首相が推し進める目玉政策のひとつとしてターゲットにされている。

NHK改革の担当となる武田良太総務大臣は、NHKは「常識がない」「放漫経営」「(値下げを)いつやるのか」などたびたび批判。受信料の値下げに消極的な姿勢を見せるNHKを酷評している。

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NHKは公共放送でありながら、毎年約200億円の黒字を計上し、企業の「内部留保」に当たる繰越剰余金が1280億円も積み上がっている。連結決算で子会社の剰余金などを含めると、約3700億円ほどあるといわれているが、その収入の大半が受信料なのだ。

民放のように儲ける必要がない公共放送がこれだけ“黒字”を出しているのであれば、値下げをできない理由はどこにもない。

NHKの前田晃伸会長は、2月定例会見で衛星波(BS放送)を値下げすることを示唆し、ようやく重い腰を上げたが、武田総務相からすればそれでも遅い。政府からさらに不平や不満の声が上がるのは必至とみられる。

受信料の値下げ問題で矢面に立たされているNHKは、それ以外のことで政府を刺激したくない。したがって、菅首相を怒らせてしまった有馬キャスターを降板させることで、事態を収めようとしたといえる。

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自分たちのことばかりを考え、強いものには巻かれる弱腰な姿勢を見せたNHK。そんな公共放送に誰も受信料を払いたいとは思わないだろう。

image by : 左 NHK『ニュースウオッチ9』/  右 shutterstock

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