●uttiiの眼
この1年の記事を通覧してみると、その間に、「内閣広報官」を巡って重要な論点が出てきていたことが分かる。
記者会見場の内閣広報官は、いわば首相の「ボディガード」役であって、記者側が代表すべき国民の「知る権利」との鍔迫り合いが行われているということ。記者は必死に食い下がって「知る権利」の充足のために奮闘しなければならないが、現状はそうなっていないこと。官邸での記者会見の司会を内閣広報官から記者会側に取り戻せとの江川紹子氏の提案は、本質を衝いている。
記者側の体たらくの要因はいくつもあるだろうが、NHKが政権の広報担当のような存在になっていることが最も大きな問題だろう。官邸は自由質問について圧倒的にNHK記者を充てることが多く、他社はスポイルされている状態だ。NHKの体制護持機関としての本性がここに現れている。
内閣広報官と内閣広報室は、テレビを中心とした政権批判の言論に目を光らせながら、政権にとって好都合な事実や見方を、NHKを使って効率よく全国にばらまく戦略の中心を担っている。
image by: 首相官邸