山田内閣広報官騒動で浮き彫りになった「腑抜け」官邸会見の大問題

 

●uttiiの眼

この1年の記事を通覧してみると、その間に、「内閣広報官」を巡って重要な論点が出てきていたことが分かる。

記者会見場の内閣広報官は、いわば首相の「ボディガード」役であって、記者側が代表すべき国民の「知る権利」との鍔迫り合いが行われているということ。記者は必死に食い下がって「知る権利」の充足のために奮闘しなければならないが、現状はそうなっていないこと。官邸での記者会見の司会を内閣広報官から記者会側に取り戻せとの江川紹子氏の提案は、本質を衝いている。

記者側の体たらくの要因はいくつもあるだろうが、NHKが政権の広報担当のような存在になっていることが最も大きな問題だろう。官邸は自由質問について圧倒的にNHK記者を充てることが多く、他社はスポイルされている状態だ。NHKの体制護持機関としての本性がここに現れている。

内閣広報官と内閣広報室は、テレビを中心とした政権批判の言論に目を光らせながら、政権にとって好都合な事実や見方を、NHKを使って効率よく全国にばらまく戦略の中心を担っている。

image by: 首相官邸

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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