地下アイドルの奴隷契約①「グループ脱退は不可能」
ファンたちに支えられながら、華やかな世界で活躍するというのがアイドルのイメージ。しかし、その実態は薄給に過重労働とかなり過酷で、「奴隷契約」と呼ばれてしまうものまで存在している。
2015年に7人組アイドルユニットとして結成された「虹色fanふぁーれ」もそのひとつ。
月給3万8000円だったが、そこからレッスン費が差し引かれて手取りはゼロ。メンバーたちは無給に近い状態で活動を続けていた。衣装代も自腹で、活動すればするほど赤字になる構図だ。
いくらアイドルになるという夢を叶えたくても、現実がこれでは何のためにやっているかわからなくなる。グループを抜けようとすると、そこに“奴隷契約”が立ちはだかった。
「5年間は辞められず、辞めた後も2年間は芸能活動できない」という悪魔のような契約。メンバーたちには何のメリットもない、事務所側の管理下に置くためだけのものだ。
元メンバーだった女性は共同通信の取材に「これが普通だと思っていた」と語り、地下アイドルたちの中で不平等な契約がまかり通っていることが明らかになっている。
「虹色fanふぁーれ」の元メンバー4人は当時の所属事務所に契約解除と未払い賃金の支払いを求めて訴訟を起こし、事務所側が非を認めて2018年6月に和解が成立した。
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地下アイドルの奴隷契約②「キャバクラ勤務を強制」
ある地下アイドルグループに10代後半から在籍していたAさん(20代)はさらにひどい奴隷契約を結ばされていた。
「研究生時代はもちろん無給。正規メンバーになってからも月給は2万円でした。拘束時間も長かったので、時給に換算すると100円にも満たなかったかもしれません。給料を上げてほしいと訴えても『ぶん殴るよ』と脅されていました」
Aさんは実家暮らしだったため、経済的な面では何とかなったが、許せなかったのはキャバクラ嬢を強制的にやらされたことだという。
「所属事務所の社長が経営をしていたキャバクラが六本木にありました。どうやらそこは一部の客たちの間では『アイドルがキャバクラ嬢をしている店』として知られていたようで、IT企業の経営者など富裕層たちが集まっていました」(前出・元アイドルAさん)
わけもわからぬまま店に出るよう言われたというAさん、断ろうとしても契約書に書かれていると言われ、出勤を強いられたという。
「事務所の社長はアイドルとして売り出そうなんて最初から思っていないんです。かわいいキャバクラ嬢をいかにして集めるかが重要だったのではないでしょうか?ただ、客が富裕層ばかりだったので、お小遣いをもらえることに味をしめちゃう女の子もいました。アイドルを辞めてそっちを本業にした子も多かったです」(前出・元アイドルAさん)
Aさんは弁護士に救いを求めて何とか事務所を退所。現在はアイドルになる夢を諦め、一般企業に勤めている。
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AKB48の成功をきっかけに、群雄割拠の状態と化したアイドル業界。世間一般には知られていない深い闇がまだまだありそうだ。