入学式も卒業式もムダ。3月4月すべての儀式が日本人を不幸にする

 

3月4月をやたらに忙しくしている要素として、転勤を伴う人事異動があります。結局この制度をやり続けて、幸福感も、生産性も最悪になったのですから、もう止める時期でしょう。遅すぎるぐらいです。

まず、ある専門職として高いスキルが身に付いた人を、そのポジションから引きはがして、全く別の分野に異動するとします。そうすると、その人のスキル形成にかかった投資はパーになります。同時に、その後任には、そのポジションの専門スキルはゼロの人を持ってくるとなると、その人がスキルを獲得するまでコストがかかります。

そうすると、異動するたびに企業としてはコストがかかり、同時に本人への負荷も大きなものがあります。それ以前の問題として、こうした経営判断というのは、

「複数の専門性を経験することで広い視野で判断できる人が育つ」
「企業独自の文化や価値観を知った人が育つ」

というメリットがあると信じられているからですが、この2つの「メリット」は常に「デメリット」と裏腹であるわけです。何よりも、その分野のプロではなく、色々な職種をグルグル回ってきた人が管理職として権限を持つわけですから、自分だけでは判断できず非効率です。また企業独自の判断基準というのは、良い方向の個性だけでなく、企業の抱えたブラック性などが温存され、リスクが雪だるま式になる可能性もあります。

加えて、家族のいる人の場合は、セットで動けない中で、勤務地異動を強制するというのは、完全に人道に反するわけです。単身赴任という制度も一刻も早く終わらせるべきです。

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