専門家らは、政府・与党の不動産政策失敗と立法の独走、犯罪を犯しても「ネーロナンブル」(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫の意で、自分さえよければOKというライフスタイル)式の行動だけする文在寅政権+与党に激しい怒りを抱いた民心が政権を審判したと評価している。「国民の力」が野党候補一本化に成功したことも有権者の選択に影響を及ぼしたものとみられる。
11か月後に行われる2022年大統領選挙を前に行われた今回の選挙で与党が惨敗したことで、文在寅大統領の任期末権力弛緩現象(レイムダック)が、本格化するという観測が出ている。また不動産政策などに対する基調転換をめぐる与党内路線の葛藤もこれから表面化してくるだろう。さらに、次期大統領選挙に向けた親文・非文走者間の競争も激化する可能性がある。与党内でも文在寅寄り(親文)勢力と文在寅とは志向を異にする(非文)勢力が存在し、これら二つの勢力間での戦いが激化するというわけだ。与党にとっては茨の道が待っている。
これで「国民の力」は選挙連敗を断ち切り、「国民の党」などとの統合推進に乗り出す見通しだ。尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検察総長らとの連帯の可能性を模索するなど、大統領選挙レースもいよいよこれから本格化する見通しだ。
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