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韓国「慰安婦が敗訴」の歴史的判決。日韓は時計の針を2015年にまで戻せ

先日掲載の「韓国が混乱。日本政府に損害賠償請求した慰安婦の訴え却下の衝撃」でもお伝えしたとおり、ソウル中央地裁が下した歴史的とも言える判断が話題となっています。「この判決を両国が関係修復のきっかけとして活かせるか否かが注目される」とするのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、日韓それぞれで慰安婦問題解決に向け努力を続ける個人や団体の取り組みを紹介しつつ、日本政府に対して具体行動に出ることを提言。さらに当問題解決や理解に有用な、和田春樹東大名誉教授らの共同論文を全文掲載しています。

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プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

日韓関係修復のきっかけとなるかソウル地裁の新判決――2015年合意まで立ち戻らないと

ソウル中央地裁は4月21日、韓国の元慰安婦らが日本政府に賠償を求めていた裁判で、原告側の主張を退ける判決を下した。同地裁での別の裁判では今年1月8日に元慰安婦への賠償を日本政府が支払うよう命じる判決が出て、日本外務省が強く反発する見解を発表するなど両国関係が一層険悪化していたが、今回は正反対の結論。両国がこれを関係修復のきっかけとして活かせるかどうかが注目される。

2015年合意は有効

慰安婦問題は、2015年末に当時の安倍晋三首相と朴槿恵大統領との間で「最終的かつ不可逆的に解決」することで合意、それに基づいて韓国側が「和解・癒やし財団」を設立し、そこへ日本政府が送付した10億円を元に元慰安婦とその遺族に賠償を支払う事業を開始した。しかし17年に大統領になった文在寅は、選挙中から「合意は誤りだった」と主張し、18年9月にはその事業を停止、財団を解散してしまった。

そのため日本政府が態度を硬化させ、両国の首脳が言葉を交わすこともないような関係に陥った。それをますます悪化させるような1月の地裁判決には文大統領もさすがに危機感を抱いたようで、10日後の1月18日の新年会見で、「判決に正直、困惑している」「15年合意は両国間の公式合意だ」と述べ、関係改善策を探る姿勢を見せた。

新判決は、そのような文の意を汲んだような内容で、

  1. 日韓合意は日本の謝罪と反省を含む内容のものであること
  2. 日本政府が拠出した10億円に基づいて、韓国政府認定の元慰安婦240人のち41.3%にあたる99人に支援金が届けられ、救済されたこと
  3. 合意は今も有効であり、残された問題の解決は〔裁判ではなく〕日本との外交交渉を含め韓国の対内対外努力により達成されなければならないこと

――などを指摘した。

文在寅は、この判決に助けられつつ関係改善に取り組みたいのだろうが、具体的にどこから手を着けるかとなるとなかなか難しく、また何をやっても過激な支援運動団体からはボロクソに言われるに決まっている。

朴裕河教授は財団の再生を提言

慰安婦問題を歪みや捻れから解き放つべく孤軍奮闘を続ける朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授は、毎日新聞のインタビューに次のように答えている(4月23日付電子版)。

▼元徴用工問題がそうであるように、慰安婦問題でも法的解決を求めるとなると日韓併合自体の合法・不法論で対立することになる。これはこれで接点を見いだすべき問題だろうが、それには当然時間を要する。であれば、慰安婦問題をめぐるそうした議論は棚に上げて、取りあえずの解決を考えるべきだ。このまますべての元慰安婦が亡くなれば、日韓間の深いとげは、もはや抜き取ることができないだろう。

▼先般、和田春樹教授ら日本の知識人たちが、新たな解決策として、合意内容を文書にして日本の駐韓大使がじかに〔元慰安婦に〕渡すことを提案した。日韓合意を主導した安倍晋三政権を引き継ぐ菅義偉政権でそうした補完作業をやり、「和解・癒やし財団」を解散してしまった韓国の文大統領が修復できれば意味がある。

▼そうしたことが行われるなら、その際、日韓両国政府はこれまでの30年の慰安婦問題をめぐる対立の歴史をまとめて読み上げることで、国民と歴史を共有できるようにしたらいいだろう。30年もの間、慰安婦問題に関わった人々は数知れず、皆それぞれの場で元慰安婦の境遇に心を痛め、気持ちを注いできた。その人たちの労もねぎらって、初めて慰安婦問題は未来に向かう歴史となりうるだろう。

▼韓国大統領は日本側の努力も認め、日本側は「和解・治癒財団」で足りなかったことを補完すると明言したらいい。アジア女性基金や日韓合意までの経過も公開したらいいだろう。こうした過程に元慰安婦の方を参加させなかったこともわびるべきだ。

▼そうした公的イベントとともに、「和解・治癒財団」を再生させ、残ったお金を使って、いまだに受け取っていない方たちには日韓の政府関係者がこれまでのことを一緒に伝えて受け取ってもらえるよう試み、さらに残るお金は研究やその他に必要な事業に使えばいい。

▼韓国が用意した100億ウォン(約10億円)は、別途財団を作り、日韓和解プロジェクトを始めて、旧徴用工問題を含む、今後さらに出るかもしれない問題に対応できるようにしたらいいだろう。そうした作業を韓国だけでなく、日韓の関係者が「共に」模索していけるようにしたらいい。

和田春樹らは「総理の手紙」を手渡すべきだと

朴教授が言及している「和田春樹教授ら日本の知識人たちの提案」とは、石坂浩一(立教大学教員)、内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)、内田雅敏(弁護士)、岡本厚(元「世界」編集長)、鈴木国夫(市民連合めぐろ・せたがや共同代表)、田中宏(一橋大学名誉教授)、矢野秀喜(朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動事務局長)、和田春樹(東京大学名誉教授)の8人が連名で3月24日に公表した共同論文「慰安婦問題の解決に向けて――私たちはこう考える」のことである。

その中で彼らは、この問題の30年の試行錯誤の跡を振り返りつつ、15年合意が行き詰まった日本側の要因として、せっかく安倍が「慰安婦として、数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からのお詫びと反省の気持ちを表明する」「日本政府の予算により、全ての元慰安婦の方々の心の傷を治癒する措置を講じる」とまで言いながら、それを文書として発表することも、手紙にして被害者に届けることも嫌ったために、相手の心に届く誠実な謝罪と受け止められなかったことを挙げている。彼らの提案はこうである。

▼2015年合意の核心部分を再確認し、「政府の責任を痛感して、すべての慰安婦被害者にお詫びと反省の気持ちを表明」した安倍総理の言葉をあらためて文章にして署名し、日本政府を代表する駐韓大使をして、20人といわれる生存慰安婦被害者にその意を届けさせるべきだ。

▼文大統領は、2015年合意を両国間の公式合意であると承認する立場を表明したのだから、日本政府が拠出した10億円から、和解・癒やし財団が生存被害者35人と被害者遺族58人に1億ウォン、2,000万ウォンずつを伝達したことを報告していただきたい。その上で、残った5億4,000万円に、韓国政府が慰安婦被害者のために治癒財団に別途支出した100億ウォン(約10億円)を合わせて、韓国政府がめざす慰安婦問題研究所の設立に使うべく、日本政府の協力をもとめて協議されることを望む……。

日本政府もいつまでの突っ張ってばかりいても仕方がない。朴教授やこの共同論文の提案を参考にしつつ具体行動に出る時ではないのか。

和田らの共同論文は1月の判決とそれへの日本政府の反応を心配して3月に発表されたもので、4月の新判決への評価は含まれていない。が、この問題で最も苦労してこられた方々の提案は有効であり、また30年間を簡潔に振り返っていてこの問題の理解に有用だと思われるので、以下に全文を紹介する。

《共同論文》全文掲載
慰安婦問題の解決に向けて――私たちはこう考える──ソウル地裁〔1月〕判決と文在寅韓国大統領の年頭所感を受けて (2021年3月24日)

はじめに

私たちは、2019年7月、「声明 韓国は『敵』なのか」を出しました。その中で、安倍晋三政権によって発動された対韓輸出規制を批判し、日韓基本条約や日韓請求権協定では日本の植民地支配の問題は解決していないこと、日本政府は日韓両国民を対立させるようなことを止めるように訴えました。また2020年9月には、安倍政権から菅義偉政権への交代に際して、首脳会談の開催や民事訴訟である元徴用工裁判には政府は介入せず、被告企業の判断に任せるべきことなどを訴えた「声明 いまこそ日韓関係の改善を」を発表しました。

しかし、その後、様々な外交的模索は報じられたものの、両国のデッドロック状態は変わらず、首脳会談さえ行われませんでした。そして、2021年1月8日、元日本軍慰安婦が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁が日本政府に賠償を命じる判決を出し、日本政府が抗議するという事態となりました。日本外務省は3月2日ホームページに新しい「見解」を発表し、改めて韓国政府を批判しています。

私たちは、日本が過去の植民地支配の歴史を直視し、誠実に反省、謝罪して、戦後の民主主義、平和主義を守って進むならば、朝鮮半島の人々(韓国および北朝鮮)とともに未来に向かって歩むことができると確信する立場に立っています。日本と韓国は最も近い隣国であり、両国民は友人として協力し合い、平和のうちに共生する関係の構築を追求すべきと考えます。両国の間で対立や葛藤が起きても、冷静かつ合理的な対話によって解決するしかないと考えます。

その立場から、現在の状況について考えていることを、以下に表明します。

1.ソウル中央地裁の判決について

1月8日の判決はいわゆる「主権免除」を認めず、日本政府に賠償を命じました。判決それ自体については、人権は主権免除に優先する、という国際法の最近の考え方を反映した最先端の判決として評価することができます。ダーバン会議(2001年)以来、植民地支配によって引き起こされた苦痛や犠牲に対して、宗主国であった国が謝罪し、あるいは賠償をする動きが世界各地で見られるようになってきました。判決は、こうした潮流に一石を投じたものといえるでしょう。

裁判に訴えたのは、日本の行為によって被害を受け、いまだ救済されていない被害者です。政治が問題を解決できなかったからこそ、被害者は韓国で裁判に訴えるしかなかったのです。私たちは、このことを忘れることは出来ませんが、しかし、この判決によって、直ちに歴史の問題が解決できるとは考えません。ことは歴史認識と外交、そして国民感情にかかわる問題です。粘り強い対話と外交的な知恵、そして国民の説得によってしか解決できないと考えます。

文在寅大統領は、年頭の会見(1月18日)において、日本の記者の質問に答え、「(徴用工判決の現金化は)日韓関係においては望ましいとは思わない」、「(元慰安婦裁判の判決には)正直困惑した」「(2015年の合意は)日韓両政府の正式な合意だったと認める」などと述べ、従来の対応から踏み込んだ発言をしました。そして「原告が同意できる方法を両国政府が協議し、韓国政府が原告を最大限説得する」とも述べました。日韓関係の改善に向けた、大きなチャンスが目の前にあると私たちは考えます。

2.朝鮮植民地支配の清算とは

ここで改めて強調したいのは、隣国を侵略し支配したことに対する日本の政府と国民の態度と覚悟です。政府と国民は、朝鮮半島を軍事占領し、日本に併合し、その地の人々に植民地支配を強いた事実を忘れることなく、そのことを反省し、謝罪する姿勢を確立し、堅持しなければなりません。韓国併合時に、若き石川啄木は、「地図の上 朝鮮国に黒々と 墨を塗りつつ 秋風を聞く」と詠みました。啄木の、朝鮮の人々への思いが伝わってきます。いま一度、思い起こしたいと思います。

和解のためには外交的な努力と政治的な決着が必要です。と同時に、一朝一夕に問題は解決しない、とりわけ加害国の国民は、絶えざる努力を続けていく覚悟をもたなければならないと思います。一度謝罪すればそれですべてが終わると考えてはならないのです。それがこの問題を語る基本的な態度です。韓国は、戦後、大きな政治的な転換をしてきました。植民地からの解放後、南北に分断され、民族同士の戦争(朝鮮戦争)も経験しました。北との軍事的対峙を根拠とする軍事政権を、長い、流血をともなう運動で覆し、民主化を勝ち取ったのが1987年でした。

日本の政治的転換は、第2次世界大戦の後に起こりました。「大日本帝国」は解体され、民主主義、平和主義、国民主権の日本国憲法のもと、再出発したのです。日本は、連合国のカイロ宣言の条件、「朝鮮の人民の奴隷状態に留意し、やがて朝鮮を自由独立のものにする」を受け入れて、降伏し、朝鮮の独立を承認しましたが、植民地支配を反省し、謝罪するには到底至りませんでした。そのことが、1965年の日韓基本条約にも反映しています。その後、1960年代後半のベトナム反戦や大学闘争を経る中で自らの歴史を問い直し、侵略と植民地支配を掘り起こし、加害の自覚をもつに至ったのです。

3.日本の政府、国民は何をしてきたか

韓国に民主化の時代が到来すると、女性団体が1990年に慰安婦問題を公然と提起し、日本政府に、事実を認めて謝罪し被害者に対する補償を求めました。戦時中、日本軍の慰安所に連行され、日本軍の将兵に性的な奉仕を強いられた女性たちの問題はあまりに深刻でした。その証言は、聞く者に激しい怒りと言いようのない悲しみを引き起こしました。証言を聞いた者は、その訴えに応える責任があります。日本の政府、国民もこれを無視することはできませんでした。

日本政府は韓国政府の促しにも助けられ、内外の資料を広く集め、調査した結果、1993年、河野洋平官房長官談話を発し、事実を認め、謝罪しました。

「本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。……政府は、……いわゆる従軍慰安婦として数多くの苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からのお詫びと反省の気持ちを申し上げる」

これは日本軍の慰安婦とされたすべての被害者に対して向けられた言葉でしたが、ことのほか、植民地支配による朝鮮半島の被害者、市民に向けて発された言葉であったことは明らかです。これが、植民地支配を加えた朝鮮半島の人々に対して、日本の政府、国民が表明した最初の謝罪でした。

戦後50年にあたる1995年7月、日本政府は、慰安婦問題に対する「償い(贖罪)」の事業を実施するために、財団法人アジア女性基金を設立し、慰安婦被害者に対し、総理大臣署名の手紙、基金理事長の手紙とともに、国民からの募金による一人あたり200万円の償い金、政府資金から医療福祉支援300万円相当をだすことになりました。

総理大臣の手紙には、「私は、日本国の内閣総理大臣として……いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々対し、心からのお詫びと反省の気持ちを申し上げます。……わが国としては、道義的責任を痛感しつつ、……過去の歴史を直視し、……女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております」とありました。

同じ年の8月15日には、閣議決定をもって「村山富市総理談話」が発表されました。この中で、総理は「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して甚大な損害と苦痛を与え」たことに対して、「痛切な反省」と「心からのお詫び」を表明すると述べました。1965年から30年かけて、日本の政府と国民の反省がようやくここに達したのでした。ここで慰安婦問題に対する謝罪が、日本政府の植民地支配認識において決定的な役割を演じたことがわかります。

しかし、首相が「手紙」を出しながら、「償い金」を政府資金から支出しないとしたことが韓国の被害者、運動団体から強い反発をうけました。その結果、アジア女性基金の事業はフィリピン、オランダでは基本的に受け入れられましたが、韓国と台湾では拒否の態度がひろまり、当時の韓国政府登録の慰安婦被害者中の3分の1以下の方だけが事業を受け入れたにすぎませんでした。基金は2007年に解散しています。

4.「韓国併合」100年を迎えて

こうした日本の政府、国民の動きは、被害者から見れば、いかにも不十分で、遅々とした取り組みだと思われたでしょう。しかし加害の歴史を認めようとしない保守的な政治勢力が強い中で行われた、戦後民主主義派の努力の結果でした。また反省・謝罪がなければ、日本はアジアと共生して未来を切り開いていけないということでもありました。

そして、歴史への反省と謝罪は、「小渕恵三総理大臣・金大中大統領・日韓パートナーシップ宣言」(1998)、「小泉純一郎総理大臣・金正日総書記・日朝平壌宣言」(2002)と引き継がれ、韓国併合は朝鮮の人々の「意に反して」行われたことを認めた「菅直人総理談話」(2010)へと至ったのです。

アジア女性基金を批判した日本の運動団体は、慰安婦問題を立法によって解決しようと、民主党など野党の議員と準備をすすめ、韓国の運動団体もそれを支持しました。2009年政権交代がおこり、民主党政権が誕生すると、「全国行動2010」を結成して、新政権による立法解決を求める運動を開始しましたが、民主党政権はその声に応じることなく終わりました。

その後、歴史修正主義的な安倍政権が長く続いたことで、日本の政府と国民の反省と謝罪の流れは一時堰き止められることになります。安倍総理は、「河野談話」も「村山談話」も否定し、「日韓パートナーシップ宣言」や「日朝平壌宣言」も拒否したかったのですが、さすがにそれは出来ませんでした。「安倍総理談話」で、中国への侵略については反省しても、日本の植民地支配について一切触れていなかったり、「菅直人総理談話」を総理官邸・外務省HPから削除するなどが精いっぱいであったのは、米国をはじめ国際社会の目がそれを許さなかっ
たからでしょう。

2011年、韓国憲法裁判所は、慰安婦問題解決に努力しない韓国政府の不作為は憲法違反である、との判決を出しました。ときの李明博大統領は年末の日韓首脳会談で、韓国の大統領としてははじめて、日本の野田佳彦総理に慰安婦問題に関する新たな措置を要求しました。翌年2月、日本の運動団体は、解決案として、

「(1)日本政府の責任を認め、被害者の心に届く謝罪をすること、(2)国庫からの償い金を被害者に届けること」を提案します。時の民主党政府の斎藤勁官房副長官は、韓国大統領の特使李東官氏と秘密交渉をおこない、合意に到達したものの、野田総理の同意がえられず、交渉は流産に終わったと言われています。

2012年12月、前述のとおり、日本では安倍晋三氏が再度総理大臣に返り咲きました。しかし、翌年韓国に出現した初の女性大統領朴槿恵氏は慰安婦問題の解決を求めて、首脳会談の開催を拒否するにいたりました。日韓関係はきわめて険悪な対立状態に陥ったのです。その中で、2014年6月、日韓の運動団体は、河野談話の継承発展によって解決がえられるとし、加害事実と責任を認めて謝罪し、謝罪の証として賠償を支払い、真相究明、歴史教育などの後続措置をおこなうという内容の新解決案を提案することもしました。

日韓政府間の交渉は難航しましたが、オバマ米政権の両政府への仲介、後押しもあって、ついに2015年11月の日韓首脳会談で早期解決の合意がうまれ、12月28日の日韓外相会談で解決案に合意し、共同の記者発表がなされました。

その合意の根幹は、「日本政府は責任を痛感している」、「安倍内閣総理大臣は……慰安婦として、数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からのお詫びと反省の気持ちを表明する」、「日本政府の予算により、全ての元慰安婦の方々の心の傷を治癒する措置を講じる」というものでした。日本政府の予算から10億円が拠出され、アジア女性基金が渡した総理の手紙では、「道義的責任」と言い続けていたものを政府の「責任」と明言しました。

この根幹部分に加えて、日本の外相は「今回の発表により慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」、「韓国政府とともに、国連など国際社会において互いに非難・批判することはさしひかえる」という追加的合意点を表明しました。

この合意は韓国の被害者や運動団体から、事前の相談がなかったことや謝罪が曖昧なことなどをもって厳しく批判されました。一方、安倍総理からすれば、これまでの歴史修正主義的な主張とは相容れない文言の合意であり、そのためもあってか、文書には残さず、外相の会見のみで行うという「異例」の公表の仕方をしました。その後、日本の国会で「総理のお詫びの手紙」を出すかと聞かれ、安倍総理は「毛頭考えていない」と述べ(2016年10月3日)、被害者や支援運動の反発を招くことになりました。

朴槿恵政権は合意に基づいて、2016年「和解・治癒財団」を設置し、生存被害者には一人当たり1,000万円、被害者遺族には一人当たり200万円を、日本政府が送付した10億円から支給することを開始しました。そして、文在寅政権は正式に発表していませんが、同財団は生存被害者47人中35人、被害者遺族58人に事業を実施することができました。「金銭の支給は要らないが、日本政府の謝罪のしるしとして受け取る」と述べた被害者親族の言葉が、同財団の資料に記録されています。

5.被害者の「心に届く誠実な謝罪」について

私たちは、これまで日本の政府と国民が辿ってきた、「河野談話」から「日韓慰安婦合意」に至るおよそ25年の流れを振り返ってきました。私たちは、一時的に遮られたこの流れを改めて回復し、韓国側と対話する中にしか解決の道筋はないと考えます。2015年の合意は、たしかに不満が残り、不十分なものでした。しかし、そこにはこれまでの歴史認識と謝罪の流れを一歩進める側面があったことも見逃すことはできません。このよい側面を生かし、さらに補充し、高めていくほかに問題解決の道はないのではないでしょうか。植民地支配の歴史と被害者の怒り、苦しみと傷を見つめ、それに対処することは、司法判決の執行によっては成しとげることはできず、両国民の合意と和解に基づく共同作業をもってしなければならないのです。

何が決定的にもとめられていたのか。それは被害者の「心に届く誠実なる謝罪」だと私たちは考えます。

加害の歴史を清算するとは、(1)加害者が加害の事実と責任を認めて誠実に謝罪し、(2)その証として何らかの金銭的補償を行い、(3)過ちを繰り返さないために問題を後世に伝えるということです。この三つの関係が大切です。(1)(2)とともに、(3)を誠実に継続実行することによって(1)(2)の謝罪が真摯なものであることが被害者・遺族に理解されるようになるのです。

2015年12月28日、合意成立後、安倍総理は、記者団に、「最終的、不可逆的な解決を(戦後)70年の節目にすることが出来た。子や孫、その先の世代に謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない」と強調しました。しかしこの発言こそが問題の本質を理解していないことを示しています。まず、被害者たる元慰安婦の方々に対し、外務大臣に代弁させるだけではなく、首相自らの言葉によって語り、自ら署名した「手紙」を彼女らに届けるべきではなかったでしょうか。

「もう謝らなくてもいい」と言うことができるのは、被害者の側ではないでしょうか。加害者の側が歴史問題について「不可逆的解決」はあっても「最終的解決」、すなわち「なかったことにする」ことはできません。

戦時の日系人の強制収容問題では、レーガン米大統領が、1988年8月、公式謝罪、生存者一人2万ドルの個人補償、強制収容にかかわる学校教育のための基金設立などを盛り込んだ「市民自由法」に署名しました。そして、ジョージ・ブッシュ大統領(父)は、1990年10月の式典において、9人の日系人に大統領の「謝罪の手紙」と「2万ドルの小切手」を直接手渡し、それを皮切りに、歴史の清算が進められました。

「大統領の手紙」には、「金額や言葉だけで失われた年月を取り戻し、痛みを伴う記憶をいやすことはできません。…私たちは過去の過ちを完全に正すことはできません。しかし、…第2次大戦中に重大な不正義が日系米国人に対して行われたことを認めることはできます」と記されています。バイデン新大統領も、大統領就任後、2月19日(1942年に強制収容の大統領命令が出された日)、「連邦政府の公式謝罪を再確認する、米国史で最も恥ずべき時の一つ…」と強制収容の歴史を振り返ったと伝えられています。

戦時の中国人強制連行・強制労働問題については、2000年の鹿島・花岡の「和解」以降、西松の広島・信濃川の「和解」を経て、最近では、三菱マテリアルの「和解」があります。2016年6月、三菱マテリアル社の木村光執行役員は、北京に出向き、中国人受難者閻玉成さん(86歳)らとの間で、「和解」が成立しました。その「和解合意書」第1条(謝罪)には次のようにあります。

「日本国政府の閣議決定『華人労務者内地移入に関する件』に基づき、約3万9,000人の中国人労働者が日本に強制連行された。弊社の前身である三菱鉱業……は、その一部である3,765名の中国人労働者を……受け入れ、劣悪な条件下で労働を強いた。この間、722人という多くの中国人労働者が亡くなられた。本件については、今日に至るまで終局的な解決がなされていない。『過ちて改めざる、これを過ちという』、弊社は、このように中国人労働者の皆さまの人権が侵害された歴史的事実を率直かつ誠実に認め、痛切なる反省の意を表する。…弊社は、当時の使用者として歴史的責任を認め、中国人労働者およびその遺族の皆様に対し深甚なる謝罪の意を表する。…上記の歴史的事実及び歴史的責任を認め、かつ今後の日中両国の友好的発展への貢献の観点から、本件の終局的・包括的解決のため設立される中国人労働者及び遺族のための基金に金員を拠出する」と。

そして、同社は、謝罪の証として、一人当たり10万人民元(約170万円)の和解金を用意し、過去の過ちを繰り返さないための記念碑建立の費用、中国からの受難者・遺族を日本に招請しての追悼事業の費用などを、別途用意しています。生存受難者らは、同社の「謝罪を誠意あるものとして受け入れ」(和解書第1条)、「私たちは、中国人労働者の強制連行を主導した日本政府、並びにその他の多くの加害企業が依然として歴史事実を無視し、謝罪を拒む状況下で、三菱マテリアル社が歴史事実を認め、公開謝罪する姿勢を積極的に評価する」と述べました。

6.私たちの提案

3月2日の外務省の「見解」は、2015年合意によって、「慰安婦問題の『最終的かつ不可逆的な解決』を確認した」とのべるだけで、合意の核心である安倍総理の謝罪について口を閉ざしています。これで慰安婦問題の解決をすすめたことになるはずはありません。

私たちは、日韓両国政府に対し、まず「2015年合意」を再確認し、その合意の精神をさらに高めるための努力を要請します。菅総理は、河野官房長官談話、村山総理談話を継承する政府の立場から、2015年合意の核心部分を再確認し、「政府の責任を痛感して、すべての慰安婦被害者にお詫びと反省の気持ちを表明」した安倍総理の言葉をあらためて文章にして署名し、日本政府を代表する駐韓大使をして、20人といわれる生存慰安婦被害者にその意を届けさせるべきだと思います。

文在寅大統領は、2015年合意を両国間の公式合意であると承認する立場を表明したのですから、日本政府が拠出した10億円から、和解・治癒財団が生存被害者35人と被害者遺族58人に1億ウォン、2,000万ウォンずつを伝達したことを報告していただきたいと思います。その上で、残った5億4,000万円に、韓国政府が慰安婦被害者のために治癒財団に別途支出した100億ウォン(約10億円)を合わせて、韓国政府がめざす慰安婦問題研究所の設立に使うべく、日本政府の協力をもとめて協議されることを望みます。それは、被害者とその苦しみを忘れず、長く後世に記憶し続ける証となることでしょう。

外務省の3月2日の意見文書は、最後に、日本政府が米国グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去をもとめる米国市民の訴訟を助けるために、米最高裁に意見書を出したことを述べています。苦難をうけた慰安婦被害者のための慰霊碑を立てることに対して、日本国民の名誉を傷つける、日米友好を損なうとして反対論を米最高裁に述べ、敗訴したことは、まことに愚かな行為であります。慰霊碑の碑文に疑問を持つとすれば、慰安婦問題を一層研究して、ふさわしい認識をつくりだすように努力するのが日本国の立場でなければなりません。

まさに、忘れず、教訓を記憶し、後世に伝えることが、真の謝罪につながるのです。

コロナ禍や気候変動など、日韓、あるいは東アジア地域は、ともに手を携えてあたらなければならない課題が山積しています。米国の政権交代で米中対立の様相も変わろうとしています。いまこそ日韓関係を改善させなければなりません。(2021年3月24日)

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年4月26日号より一部抜粋・文中敬称略)

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  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.495]日韓関係修復のきっかけとなるかソウル地裁の新判決(4/26)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.494]『NYタイムズ』も言い出した東京五輪延期・中止論(4/19)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.493]トリチウム汚染水はまず東京湾に放出すべき(4/12)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.492]4月リバウンド、5月緊急事態、7月感染ピークか?(4/5)

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2021年3月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.491]土こそいのちのみなもとーー高田宏臣『土中環境』に学ぶ(3/29)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.490]早くも半壊状態に陥った菅義偉政権(3/22)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.489]日朝平壌宣言から来年で20年ーー安倍晋三がすべてをブチ壊した!(3/15)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.488]何一つ変えられないまま衰弱していく残念な日本(3/8)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.487]すでに破綻している日本の「ワクチン供給」確保(3/1)

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2021年2月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.486]コロナ禍の国際政治学(2/22)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.485]森会長辞任でますます加速する菅政権の崩壊(2/15)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.484]コロナ後の世界に向けての「資本主義」の乗り越え方(2/8)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.483]「4月頓死」説が強まる菅義偉政権のヨレヨレ(2/1)

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2021年1月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.482]バイデン政権で米中関係はどうなる?(1/25)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.481]トランプ流ポピュリズムの無残な末期(1/18)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.480]米中はゼロサム関係ではないーー米国はなぜ対中ヒステリーに走るのか(1/11)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.479]2021年はどんな年になるのかーー3月に最初の山場が?(1/4)

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2020年12月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.478]2021年の日本と世界──コロナ禍の収まり具合が決める天国と地獄(12/28)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.477]右翼の尖閣紛争挑発に惑わされてはならない!(12/21)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.476]3カ月で早くも下り坂を迎えた菅義偉政権(12/14)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.475]Go Toトラベルを6月まで延長する菅義偉首相の執念(12/7)

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2020年11月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.474]東アジア不戦を誓う「22222222222宣言」運動(11/30)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.473]「インド太平洋」は中国を含めた軍縮の枠組み?(11/23)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.472]バイデンで米国は正気を取り戻せるのか?(11/16)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.471]菅政権の「米中バランス外交」を警戒する右寄り陣営(11/9)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.470]トランプがパックス・アメリカーナを壊した?(11/2)

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2020年10月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.469]学術会議問題で嘘を撒き散らす菅義偉首相とその仲間たち(10/26)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.468]学術会議人事介入の裏にあるもの(10/19)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.467]何もかも出任せの言いっ放しという安倍政権の無責任(10/12)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.466]年内総選挙はなくなり、年明け早々もできるのかどうか?(10/5)

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2020年9月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.465]玉城デニー沖縄県政2年目の折り返し点ーー菅政権と戦って再選を果たすには?(9/28)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.464]「中国脅威論」を煽って南西諸島進駐を果たした自衛隊(9/21)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.463]10月解散・総選挙はいくら何でも無理筋では?(9/14)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.462]安倍の何が何でも石破が嫌だという個人感情が生んだ菅政権(9/7)

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2020年8月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.460]長ければいいってもんじゃない安倍政権“悪夢”の7年8カ月(8/31)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.460]立憲・国民が合流して新党ができることへの私なりの感慨(8/24)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.459]世界最低レベルの日本のコロナ禍対策(8/17)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.458]「食料自給率」の主語は国、都道府県、地域、それとも個人?(8/10)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.457]コロナ禍から半年余、そろそろ中間総括をしないと(8/3)

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2020年7月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.456]自然免疫力を高める食事こそが「新しい生活様式」(7/27)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.455]コロナ禍を機に起こるべき価値観の転換《その2》(7/20)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.454]コロナ禍を機に起こるべき価値観の転換《その1》(7/13)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.453]コロナ対策の大失敗を隠したい一心の安倍とその側近たち(7/6)

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2020年6月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.452]ほぼ確定的となったトランプ敗退(6/29)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.451]イージス・アショアを止めたのは結構なことだけれども(6/22)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.450]ほとんど半狂乱状態のトランプ米大統領ーー米国の命運を決める黒人票の動向(6/15)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.449]「拉致の安倍」が何も出来ずに終わる舌先三寸の18年間(6/8)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.448]安倍政権はいよいよ危険水域に突入した!(6/1)

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2020年5月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.447]「10月」という壁を乗り越えられそうにない東京五輪(5/25)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.446]何もかも「中国のせい」にして責任を逃れようとするトランプ(5/18)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.445]ポスト安倍の日本のアジア連帯戦略(5/11)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.444]結局は「中止」となるしかなくなってきた東京五輪(5/4)

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2020年4月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.443]こういう時だからこそ問われる指導者の能力と品格(4/27)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.442]「6月首相退陣」という予測まで飛び出した!(4/20)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.441]何事も中途半端で「虻蜂取らず」に陥る日本(4/13)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.440]米国でも物笑いの種となった「アベノマスク」(4/6)

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2020年3月配信分
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.439]1年延期でますます開催意義が問われる五輪(3/30)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.438]もはや「中止」するしかなくない東京五輪――安倍政権の命運もそこまでか?(3/23)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.437]改めてそもそもから考え直したいヒトと微生物の関係(3/16)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.436]後手後手をカバーしようと前につんのめる安倍の醜態(3/9)
  • [高野孟のTHE JOURNAL:Vol.435]安倍独断で「全国一斉休校」に突き進んだ政権末期症状(3/2)

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image by: Yeongsik Im / Shutterstock.com

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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