女芸人バービーが教えてくれた「褒めること」と「好評価」の違い

 

4.恋愛に近い感情のコントロール

教師や上司の立場で、恋愛感情を学校や会社に持ち込むのは危険だ。一歩間違えれば、セクハラやストーカーに直結する。しかし、「好意を持って見守る」という範囲内であれば、これは良い先生、良い上司ということになる。大切なことは、感情ではなく行動であり、節度だ。そして、感情のコントロールにも訓練が必要だ。

大学の教育学部では、感情のコントロールを教えているのだろうか。あるいは、管理職研修で感情のコントロールを教えているのか。肝心なことを教えていないから、自分の感情がコントロールできず、それが学生や部下に伝わってしまう。そして「依怙贔屓している」という評価になるのだろう。

僕は、褒めるのが苦手だ。評価も厳しい。「褒める」ことも、理性の範囲の問題だと思っていたのだ。しかし、どうやら「褒める」ことは感情のコントロールに直結しているらしい。例えば、学生が40人いる。全員を好きになって良い部分を見つける。そして、感情をコントロールして、「好意を持って見守る」姿勢を保ち続ける。そうすれば、好きな気持ちが褒めることにつながる。

褒めるも依怙贔屓も感情の問題。そして、人々は感情が傷ついている。涙を流して、抑圧された感情を解放したい。そう考えている人が多いということだ。バービーは偉い。

編集後記「締めの都々逸」

「褒めてもらって 元気になって こじれた気持ちがほどけてく」

「褒める」のって難しいですね。褒めすぎると、何か下心があるのかと疑われる。でも、好きにならないと褒められないわけです。人を好きになるのは良いことです。最近、不倫が覚醒剤並の犯罪と認定されているのか、好きになることにも臆病な人が増えています。そうすると、怖くて褒められないわけですね。

「褒める」は理性的な批判や評価ではなく、感情的な行為です。ここに気がつくのに60年以上掛かりました。馬鹿ですねえ。そして、感情を出すのを避けるのではなく、コントロールする。それが肝です。(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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