コロナ優等生の台湾で感染拡大に疑問符。中国人密航と国際線パイロットを結ぶ点と線

 

さらに、男が乗っていたゴムボートにはエンジンはついていたものの、燃料の量から判断すると、福建省から直接来た可能性は低い、とも報道されています。

中国からゴムボートで台湾に密航 相次ぐ 中国人の身柄確保

つまり、台湾近くまで違う船で来て、金門島付近でゴムボートに乗り換えて台湾上陸を狙ったということでしょう。

男の身柄が確保されたのは、たまたま住民が通報したからであり、他にも不法に上陸した人物がいるかもしれません。

その後、台湾でコロナが拡大すると、中国政府は台湾にワクチンを提供したいと表明しました。以下、報道を一部引用します。

「中国で対台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮(しゅ・ほうれん)報道官が同日、新型コロナウイルスの感染が急拡大している台湾に対し、『最大限の努力を尽くして、台湾の同胞ができるだけ早くコロナ禍に打ち勝つよう援助したい』と表明したと伝えた。

朱氏は、中国製ワクチンについて『広範な台湾の同胞が使用を切望している』と強調。台湾側にワクチンを提供する用意があるとの構えを見せた。

一方で『当面の急務は、人為的な政治的障害を排除することだ』とも主張した。中国が『台湾独立』派とみなす民主進歩党の蔡英文政権に対し、歩み寄りの姿勢を見せなければワクチン支援を行わないと迫った形だ。突然の感染拡大に台湾で衝撃が広がる中、蔡政権に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる」

● 中国政府が台湾にワクチン支援の構え 蔡英文政権に揺さぶりか

もちろん台湾側は、

「偽の善意を示す必要はない」「中国大陸が邪魔さえしなければ『われわれは信頼性がより高いワクチンをより早く国際社会から入手できる』との立場も示した」

台湾、中国のワクチン支援表明に「偽の善意いらない」

として、中国からの提供を受けるつもりは全くありません。不審者が金門島に現れた、コロナが急拡大した、中国政府がワクチンを切り札に蔡英文政権に揺さぶりをかける、何かひとつのシナリオに見えるのは私だけでしょうか。もちろん、台湾の報道でもコロナ急拡大の原因は国際線パイロットと言っています。

しかし、どんな卑怯な手段も厭わない中国政府です。実際、中国産ワクチンをエサにアフリカ諸国を翻弄しています。あまりにタイミングがいいので、つい穿った見方をしてしまいます。

print
いま読まれてます

  • コロナ優等生の台湾で感染拡大に疑問符。中国人密航と国際線パイロットを結ぶ点と線
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け