エドワード・ルトワックの『ラストエンペラー習近平』(文春新書)によると、中国が強国になればなるほど、弱くなっているという。
戦狼外交で、中国は同盟国をなくして、孤立化しているが、それは武器の数等で戦術的に強国になったかもしれないが、戦略的な意味では、弱国になってしまったことになるという。
インドの空軍機は、ロシア製戦闘機であり、キルジスに空軍基地がある。ロシアの支援がないとそのようなことはできない。これにより、ロシアは中国の真の同盟国ではないことがわかると。
中国は相手の反応(リアクション)を考えていない。特に南シナ海での強硬な対応で、弱小な周辺国は米欧日の陣営に追いやり、国内の少数民族を迫害して、国際社会から批判を受けている。
ASEANでもラオスとカンボジアしか同盟国がない。ミャンマーはロシアに支援を求めている。中国寄りの弱小国は数が少ない。
もう1つが、中国は、今までの兵器基準で軍備を整えているが、戦場の主役は交代している。特にAIとドローンであるが、この兵器より、進んだ兵器が出てくる可能性もある。その対応ができるかどうかだ。
中国は、空母を4隻も持つ予定であるが、太平洋に出ないと意味がない。この空母の補給のために、同盟国の港を確保する必要があり、そのために太平洋の諸島国に援助を行っている。しかし、覇権を求めないという言葉と矛盾することになる。
このようなことで、中国の習近平主席は、中国共産党の最後の皇帝であると論評のようだ。もし、詳しく知りたいなら、この本を買い求めてほしい。
そして、中国がどこに向かうのか、気になるところでもある。
さあ、どうなりますか?
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