せっかく英会話を勉強するのであれば、生きた英語を身に付けたいもの。そんな希望を叶えてくれるメルマガ『さくら子先生の『アメリカ人気テレビトーク番組から学ぶ英語表現!』』が、9月13日に創刊されました。著者は英会話講師歴30年を誇り、語学学習コーチ/コンサルタントでもある大島さくら子さんです。今回はその配信開始を記念して、メルマガのメインコンテンツの全てを特別に公開。さくら子先生が8つの表現を懇切丁寧に解説しています。
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Vol.1『Don’t mess up my hair!』
言語を学ぶことのだいご味は、その言葉そのものを学ぶだけでなく、その背景にあるもの、歴史や文化、経済、社会なども一緒に学んでいくということ。
キーワードはcuriosity「好奇心」!
「生きた英語」にこだわり、私自身もずっと英語学習を続けています。中でも、アメリカABCテレビで放送中の『The View』を中心に、PodcastやYouTubeで無料配信されているトーク番組やニュースを毎日視聴して、今、使われている英語をレッスンに積極的に取り入れるようにしています。
日本のメディアから入ってくる情報だけでなく、海外メディアが取り上げる旬な話題、そして、co-hostやguestたちが話す興味深い英語表現を知り、同時に世の中を見てみましょう。
こちらが『The View』のYouTubeチャンネル
↓
● The View
9/7(火)から始まった、『The View』のシーズン25。コロナ禍で2020年3月からリモートでの収録となり、今シーズン、やっとスタジオで顔を合わせたWhoopi Goldberg、Joy Behar、Sunny Hostin、Sara Hainesの4人。これからどんなtalkが繰り広げられるのか、楽しみです!それでは、一緒に学んでいきましょう!
気になる表現と解説
(9/7)…………………● mess up
Don’t mess up my hair!
「私の髪をぐちゃぐちゃにしないで!」
〈解説〉
in person「対面で」での再会を喜ぶco-hostたち。マスク着用なし、そしてhugまで!すっかりコロナ前のような雰囲気です。
SaraがJoyに思いきり抱きついて離れないので、Joyが思わず言った一言です。mess upは「めちゃくちゃにする、台無しにする、間違える」。
他にも、以下のように使います。↓
I totally messed up my business.
「ビジネスをすっかり台無しにしてしまったわ」
Don’t mess up !
「ヘマするなよ!」
mess up on も、よ~く使います。↓
I’m so afraid that I’ll mess up on the final interview.
「最終面接で失敗するんじゃないかと、不安でしかたがないよ」
(9/7)…………………● hugger
Sara is a hugger .
「サラはハグ魔だから」
〈解説〉
Saraはハグが大好きだそうで、Sunnyからhuggerと言われていました。huggerは「ハグをすることが好きで、できるだけひんぱんにハグをしようとする人」。←長い説明(笑)。なので「ハグ魔」と意訳しました。
でも、tree-huggerとなると「木を抱きしめる人→環境保護論者」という意味になるので、注意してくださいね。
なお、Saraは番組中、自分のことを、I’m a toucher.と言っていました。toucherは「スキンシップが好きな人」。ただし、あまり一般的に使う言葉ではありません。相手の身体に触れて、愛情表現を豊かに表す人は、通常、touchy-feelyと言います。形容詞です。↓
I’m not a touchy-feely person .
「私は感情をあまり表現するタイプじゃないの」
ちなみに、スキンシップは和製英語ですよ。skinshipと言っても通じません。正しい表現は、physical contact。
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(9/7)…………………● drop ~ off at …
I dropped my baby off at college.
「私の息子を大学に送り出してきました」
〈解説〉
Sunnyの息子が大学生になりました。18歳とか19歳でも、ママにとってはベイビー。でも、実は、babyには「赤ちゃん」という意味以外に、「末っ子、愛する人、大切な人」という意味があります。彼には妹がいるので、ここでは「愛する人、大切な人」という意味で使っていますね。
さて、drop ~ off at …は「~を…で降ろす」。つまり、車で送っていったということ。ここでは「送り出した」と意訳しました。
この表現、タクシーなどに乗って「ここで降ろしてください」と伝えるときにも使えます。↓
Can you drop me off at the station?
「駅で降ろしてもらえますか?」
他にも、こんな風に使えます。offは省略してもokay。↓
Where should I drop you (off)?
「どこで降ろせばいい?」
この前置詞offは[離れていく、切り離される]イメージですね。
(9/7)…………………● gap year
He took a gap year before going off to college.
「彼は大学に進学する前に、ギャップイヤーを取っていたの」
〈解説〉
同じくSunnyの息子の話です。gap yearとは「高校卒業後、大学入学資格を持ったまま、1年間遊学できる制度のこと。聞いたことありますか?
gap year activities「ギャップイヤーに行う活動」として、
- travel or work abroad「海外旅行や、海外で仕事」
- au pair「オーペア」
- internships「インターンシップ」
などが挙げられます。
au pairは「外国語習得を目的として、住み込みでその家の子どもの世話をする人」のことです。若い女性がau pairとなる場合が多く、少額ですが賃金も得られます。フランス語で、発音は〈オゥペア〉。
私がイギリス留学中に知り合ったドイツ人の友人は、アメリカで1年間au pairとしてホームスティをしたと言っていました。また、オランダ人の友人の娘はコロナになる前、オーストラリアで約半年間au pairとして働いていました。すごくいい経験になったそうですよ!
なお、一般的にはbabysitter「子守り、ベビーシッター」やnanny「子どもの世話をする人」を用います。
(9/8)…………………● NUNYA
I just say NUNYA!
「大きなお世話!」
〈解説〉
女優Lisa Rinnaの娘America Hamlinが、タレントのScott Disickと別れたことにたいして、Lisaがvictory danceを踊って大喜びしたとか。Scott Disickは、評判悪いようですね。
そこで、誰と付き合うか、どこまで家族の承認が必要かについて、co-hostたちがディスカッション。基本的に、Whoopi以外の全員が、最終結論は自分で出すとしても、家族の意見を参考にするというような話をしていました。
ここで、Whoopiがたまらず言った言葉が”I just say NUNYA!”
さて、NUNYAって、どういう意味かわかりますか?Co-hostたちも、”What did you say?”「なんて言ったの?」と、一瞬わからなかった様子。これは、none of your business「あなたには関係ない、大きなお世話」を短くして作った語。私も初めて聞きました。Whoopiの造語かな?businessは「(個人的な)事柄」。
また、以下表現もよく使います。↓
Mind your own business .
「自分の世話をしなさいよ→大きなお世話」
mindは「面倒をみる、世話をする」。
なお、victory danceは、そのまま「勝利のダンス」。嬉しさを表現する言葉で、happy danceとも言います。本当に踊るわけではなく、踊りたくなるくらい嬉しいということ。でも、実際に、思わず踊り出す人もいます。
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(9/8)…………………● timeless
Yeah, but I’m timeless .
「ああ、でも僕は歳を取らないんだ」
〈解説〉
スタジオ配信で初めてゲストとして呼ばれた、俳優仲間のMartin Short DishとSteve Martin。Martinが、冗談でSteveを年寄り扱いをしたとき、Joy が”Wait a second he is not that much older than you.”「ちょっと待ってよ。あなたとそれほど歳が変わらないじゃないの」と言ったことに対しての、Martinの返答。
timelessは「時を超越した、不朽の」という意味。つまり「僕は歳をとらない」ということ。
「歳をとる」と表現するときは、get old/older、grow old/olde 、あるいは動詞ageを一般的に用います。なので、timelessはとてもユニーク。ちなみに、timelessはagelessに置き換えることができます。
(9/9)…………………● for the world
I wouldn’t miss for the world .
「何があっても絶対に来るよ」
〈解説〉
マーベルの初のアジア系ヒーロー映画 “Shang Chi”の主人公、スーパーヒーロー役のSimu Liuがゲストで登場。Thanks for coming.「来てくれてありがとう」とWhoopiに言われたSimuが、Are you kidding me?と言った次の言葉。
Are you kidding me?は「冗談でしょう?、からかっているの?」という意味。
I wouldn’t miss for the world.は決まった表現で、「絶対にこの機会を逃さないよ→何があっても絶対に来るよ」という意味になります。このまままるごと覚えてしまいましょう。missは「(機会などを)逃す」、for the worldは「断じて、決して」。
なお、Are you kidding (me)?とmeを省略する場合もあります。kidは、動詞で「からかう、冗談を言う」。
(9/10)…………………● good sport
She is a good sport for taking one for the team.
「彼女は、周りのためならなんでもやるノリのいいひとよ」
〈解説〉
Guest co-hostのStar JonesをJoyがこのように紹介しました。Starは、なんと米国弁護士、ジャーナリスト、ファッションデザイナー、著者、テレビタレントだそうです。多彩な人がいるものです!
good sportは「あまりいい状況でなくても、前向きで潔い行動をとれる人」という説明が辞書にはありますが、会話で使っているところから判断すると「ノリがいい人」という感じがします。これやってみよう、あれやってみようと提案されて、「うん、いいよ!」と二つ返事で行動する人です。仕事でも遊びの場面でも使います。
そういえば、私が20代の後半、ギリシャのCorfu島でパラセーリングに独りで挑戦したとき、アメリカ人の仲間に、You are a good sport!と言われたことがありました。残念ながらそのときは、意味が分からなかったんですけど(苦笑)。
take one for the teamは「チームのために自ら進んで嫌なことをする、犠牲になる」という決まった表現です。語源は、野球で打者がチームのために、犠牲バントをする、あるいは、犠牲フライを打つことから。
他にも以下のように使います。↓
I’m more than willing to take one for the team !
「僕はみんなのために喜んで犠牲になるよ」
more than~は「単に~にとどまらない、この上なく~」、willing to~は「~するのを厭わない、~する用意がある」。
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