一律10万円給付めぐり自民党と公明党が大喧嘩。「お前らは維新より下」岸田政権が強気に出られるワケ

2021.11.09
by tututu
km20211020
 

自民、公明両党は8日、政府の経済対策に盛り込む経済支援策について協議を始めた。公明党が18歳以下への一律10万円相当の給付を求めているが、この案をめぐって批判が噴出。自民党の高市早苗政調会長が「自民党の公約とはまったく内容が違う」と語気を強めるなど、両党の間で大きな溝ができつつある。

「一律10万円給付」を巡って自民と公明の意見が対立

高市氏は8日午後に応じた取材の中で、「わたしたちは本当にお困りの方に経済支援をするという政権公約を作った。そうでない方に支援をするということは書いてない」とした。さらに、「自民党の公約は大変重い」と強調したうえで、与党幹事長間の協議を見守る考えだ。FNNが報じた。

自民の茂木幹事長と公明の石井幹事長は8日、この給付案について国会内で約20分間会談。読売新聞によると、石井氏は改めて一律10万円相当の給付を求めたが、茂木氏は記者団に「基本的な考え方は尊重したい」としつつ、「どこまでの子どもに必要かは議論が必要ではないか」と述べ、一律給付に慎重な姿勢を示したといる。

公明党は衆議院選挙の公約に一律給付を掲げていただけに簡単に引き下がることができない。一方、自民党は衆院選で生活困窮者支援を公約としているだけに隔たりは大きい。

【関連】金爆が解散&消滅の危機。歌広場淳に不倫中絶報道、鬼龍院翔に続く致命的な不祥事、ファンから「パイプカットしろ」の声

公明党の山口那津男代表は8日、関西テレビの番組に出演し「大人の都合で子どもたちを分断すべきではない」と主張。「困窮している大学生を支援すべきではないか」との指摘に対して、「学生はアルバイトが可能な人もいるし、奨学金が利用できる人もいる」と述べたが異論が噴出。

また、国民からも困窮する単身者や子供がいない家庭に対する“切り捨て”のようなバラマキに批判が殺到している。

こうした声を受けてか、公明党幹部からは「18歳以下の子どもへの支給を優先するために、所得制限はやむを得ない」との声も出始めてきたという。

一方、自民党側は政権幹部が「簡単に公明党案の丸飲みとはならない」と断言しているといい、与党協議は今後も難航することが予想されている。

焦る公明、その付け入る隙を狙う自民の攻防

昨年、新型コロナウイルスによる経済的影響に対する緊急対策として、国民全員に1人当たり10万円の特別定額給付金が支給された。この時は自民党が公明党から出た案をのんだという経緯がある。

今回も同じような展開になるとみられたが、どうやらそうはならないようだ。その裏には自民党と公明党それぞれの事情があるという。

「昨年は後手後手に回るコロナ対応が批判を浴び、自民党が公明党に強く出ることができませんでした。しかし、今回は構図がやや異なります」(永田町の動向に詳しい政治記者)

自民党と公明党の間で何が変わったのか。

「先日行われた衆院選で自民党が単独過半数を獲得しました。一方の公明党は維新の会の躍進もあって、第3党の座を奪われてしまったのです。与党の微妙なバランスが崩れつつあります」(前出・政治記者)

これに公明党は危機感を感じているといい、夏の参議院選挙に向けて実績を作り、存在感を示しておきたいといった思惑があるようだ。

【関連】キャバ嬢をタクシーに閉じ込め“監禁”か。「エコーカード返せ!」バッグの中まで手を入れ恫喝する運転手

お互いに公約に掲げたこともあり、両党とも簡単には主張を曲げられない状況。果たして、自民党と公明党はどんな着地点を見出そうとしているのか。

print
いま読まれてます

  • 一律10万円給付めぐり自民党と公明党が大喧嘩。「お前らは維新より下」岸田政権が強気に出られるワケ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け