15年後だって構わない。Facebookが「メタバース」構築を目指すワケ

 

おじさん、おばさんが頑張るSNS

でもFacebookは最近そのような雰囲気が強くて、「おじさん、おばさんが頑張るSNS」という謎の地位を確立してしまったと言われています。おじさん、おばさんたちは楽しんでFacebookを使っているので、良かれと思って若者たちを誘うけど、結局私生活にまで会社の関係を持ち込むのがいやで若者たちが離れていく。だからますます高齢化が進んで、やがて「高齢者のSNS」という嬉しいんだか、嬉しくないんだかわからない異名をもらうことになるわけですね。

まあ、正直私もわりと「Facebookでアクティブなおじさん」ですし、Facebookがたのしいーとおもうことも結構あります。また全てのメディアが「若者向けに作られるべき」だとは思っていないので、こういう高齢者が楽しめるメディアがあることも十分に「あり」だとは思うのです。

とはいえ、超高齢化が進んでいる日本はともかく世界的に見ればやはり若者向けのSNSを持っていた方が、購買意欲も高く広告主からも喜ばれるわけですし、一時期のFacebookからみると、やはり若干トーンダウンしてしまっているのは否めないといえるでしょうね。

ただ、実を言うと(いつのまにか)若者向けのメディアの代表であるインスタグラムはFacebookの傘下に入っているので、厳密に言えばFacebookが無策に指を加えてみていたわけではないのですが、一連のアメリカ大統領選での情報操作疑惑など、いろいろ逆風が吹いているなかFacebookはいろいろブランドとしては辛い状態になっているといえるでしょう。

でも、単純にブランドのイメージが変わってしまっただけならば、別のSNSを立ち上げることも別にFacebookの資金力を持ってすれば造作ないことでしょう。snapchatやyoutubeのようなサイトのクローンを作ることでもある程度の成果をあげることは彼らにはできるはずです。

なぜメタバースというあえて難しい3Dを使った仕組みを、10年15年かけて作り上げていこうとするの?新しいことをすることで株主の興味を引く?まあ、もちろん、それもあるとは思います。ただメタバースには、それ以上の不思議な錬金術を行える可能性があるのです。

メタバースってなんだっけ?

と、その説明をする前にそもそも「メタバース」ってなんだっけ?ということを(すでにご存知かもですが)簡単に説明しておきましょう。メタバースはメタ(meta:仮想)とユニバース(universe:宇宙)を組み合わせた造語で、コンピュータの3次元の仮想空間に造られた世界のことです。ニール・スティーヴンスンさんのSF小説「snow Crash」で初めて現れたと言われ「レディ・プレイヤーワン」という映画でも話題になりましたね。

まあ、説明するとキリがないですが簡単に言うと「コンピュータの作る仮想世界の中で、あなたは自分の分身(アバター)として暮らす」ことができるようになるわけです。コンピュータの中なのでなんでもできます。空を飛ぶこともできるし、瞬間移動することも可能。仮想世界の中を遠く旅したり、友達と遊んだり、ウフフなことをしたりと、現実世界では難しいようなことも仮想世界では自由自在。

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