世襲政治家から国を取り戻せ。日本を救う「江戸の長屋システム」とは

 

地方行政

国の軽量化のテーマに戻ると、次の改革は地方行政であろう。

道の整備も上下水道の整備も、使用料金や住民税を上げられる状況ではなく、費用対効果でどうするのかが重要になる。市民生活防衛のためには、効率的な行政が必要になっている。

また、住民税の税収を増やすためにも、住民を増やすことが重要で、そのための施策や企画が重要になる。要するに、企業経営と同じようなセンスが必要ということだ。

政治的な思想より、地域住民の利便性を高める実務が重要であり、今の政党中心の行政のトップより、その街の企業や企業集団が行政を直接行えるような仕組みにすれば、企業人事と行政人事の交流ができて、経営感覚のよい行政ができることになる。

流山市の「母になるなら流山」という宣伝を、当初、市職員は大きく反対したというが、その宣伝の通りに保育園を拡充し、育児の意見を聞き、利便性を高めたことで、若い家族と子供達が増えて、流山市の人口は大きく増えたという。

これは、市長が経営コンサルタント出身者であったことで、そのような企画ができたのだ。経営感覚が地方行政に必要になり、企業経営と同じようなセンスが重要になっているのだ。

武蔵野市のような仮想敵国の短期滞在外国人も住民投票できる制度を作るような政治信条からゴリ押しするような市長がいらないはずである。そのような政治的なことを中心に行い、経営的センスがない人は必要としないはず。思想的な紛争を起こすのは、市民にも迷惑である。

江戸時代は、町の行政は、武士ではなく、町人が行い、村の行政は庄屋が行っていた。武士は、村全体の年貢を取り立てるだけである。この仕組みを現代に活用した方が良い。安い行政ができる。

しかし、行政で企業の暴利が起きる可能性もあるので、警戒は必要であり、中央政府の監査体制と市民などの選挙で、企業の暴利を防ぐ仕組みは必要である。当初は、企業城下町と言われる都市から徐々に進める必要はある。

逆に、行政機関が企業を営むことができるようにする。人口増加させるために、村の産業を作る必要があり、村長を社長した企業があってもよいはずだ。特に中山間部の村は林業に活路を見出すしかない。この中心になれるのは、村役場しかないからである。

日本のグランドデザイン変更の手段

このように見ていくと、国の権力の中心が、太平洋戦争前は軍人であり、戦後は官僚となり、小泉改革で政治家になり、今後は企業経営経験者と資産家になるような気がする。

2世3世政治家の世の中を見る目が低く、かつ人間としての器量が低いことで、日本の貧困化と政治の私物化を引き起こしている。これを解消するためには、当面は行政に、経営者や資産家の参加が必要になっているようだ。

もう1つ、衰退する軽量国家日本のグランドデザインを考える必要があるが、今までの既得権益者に権益を放棄させるためには、それ相当なことをしないと、政治的に持たないので、それを名誉や地位を代償に与えて、我慢してもらうという考えた方でもよいはず。武士を明治後、貴族にしたようにである。

ということで、中小企業の統合が必要になっている。本格的なDXやIT化に対応できないので、資本統合をして体力を付けていくことで、生産性も向上できる。この統合でも権利放棄した経営者を貴族にするなどの代替処置にも使える。

大企業が中小企業を統合する方向でもよいが、下請けという考え方を放棄させていく必要がある。この改革でも社会改革になるので、実行する大企業経営者にも名誉を与えることである。

最低賃金を年5%程度上げて、日本の生産性を上げるようにと、デービッド・アトキンソン氏は言うが、その方向性は正しいが、日本の既得権益者の抵抗をどうかわすかが政治的な問題である。

このような問題でも、貴族制度を利用でき、次の日本の変革をスムーズに行う手段として、利用することである。

さあ、どうなりますか?

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