露プーチン政権への“クーデター”を恐れる習近平。絵空事ではない中国大崩壊

 

そしてもうひとつ、世界が懸念しているのは中国の「ゼロコロナ政策」です。これについては1月のメルマガでも書きましたが、中国はこれまで新型コロナに対して完全に封じ込めていると「勝利宣言」をしてきました。

ところがオミクロン株という感染力の強い変種が出てきたため、中国国内で感染者が激増してきています。ただしオミクロン株は感染力は強くても重症化率や死亡率が低いのはご承知のとおりです。

そのため、多くの国々では「ウィズコロナ政策」へと転換しているのですが、中国共産党は絶対に誤りを犯さないという無謬の存在ですから、ゼロコロナ政策から転換したくても、出来ないのです。

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3月28日から、中国最大の経済都市である上海がロックダウンされました。ユニクロもテスラも休業や工場停止に追い込まれています。

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今年の秋に最高指導者として異例の3期目を目指す習近平にとって、コロナ対策で失敗することは命取りとなります。いまさら「ゼロコロナ政策は失敗でした」などとは、口が裂けても言えないでしょう。

そのため、無理をしてもゼロコロナ政策を続けているというのが現在の中国なのです。現在では、クラスター感染を起こした地域では、感染対策を怠ったとして、地方幹部がどんどん処罰されており、3月だけで150人以上が免職や停職などの処分を受けたそうです。

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こうなると、幹部は感染者数をごまかそうとするでしょうし、それによって感染者が爆発的に増え、そしていずれロックダウンをせざるを得なくなるという負の連鎖が始まります。外国投資家も、怖くて中国に投資できるはずがありません。これも独裁国家であるがゆえの負の部分です。

新型コロナが世界的流行を見せた初期の頃、決定が遅い民主主義国家よりも、トップダウンで物事が決まる独裁国家のほうが、パンデミックに対しては有利なのではないかという意見がありました。しかし、ロシアのウクライナ侵略から完全に潮目は変わりました。全体主義、独裁国家の危うさがはっきりと露見したのです。

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