活動家が不法侵入。プーチン次女の「愛の巣」別荘はなぜ特定されたのか?

2022.04.15
by kousei_saho
shutterstock_1735240187
 

プーチン大統領への忠誠と引き換えに巨万の富を築き、栄華をほしいままにしたオリガルヒと呼ばれるロシアの富裕層。彼らは海外にも多くの資産を所有していますが、この内の一人とプーチン大統領の次女の「かつての愛の巣」に活動家が侵入し、内部を撮影した動画がネット上に流され話題となりました。今回のメルマガ『パリ大学博士・世川祐多のフランスよもやま話』では歴史学者で日仏交流に情熱を注ぐ世川祐多さんが、その動画とプーチン氏の次女夫妻の別荘購入を伝える地元誌の記事を紹介。さらにアクロバティックダンサーだったという彼女の波乱に満ちた人生も併せて記しています。

【関連】プーチン娘の別荘にフランス人活動家が侵入?「鍵を勝手に変えウクライナ難民招待」報道に賛否両論

フランスのあらゆる情報を紹介する世川祐多さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

プーチンの娘とフランス

ロシアの大富豪たちは、フランスの古城などを買い漁っている。特に最近有名になったロシア語の「オリガルヒ」たちは南仏が大好きで、別荘と豪華ヨットをコートダジュールの水面にギラギラと輝かせている。

だから、オリガルヒのボスであるプーチンの一族がフランスに資産を保有していても何らおかしいとは思わない。

そして、やはり、プーチンの次女カテリーナがビアリッツに別荘を保有していて、ここが先月かつての黄色いベストの活動家ピエール・ハフナーと反プーチンの男2名に侵入された。

彼らは彼らなりの正義でもってこの不法侵入を働き、ウクライナ国旗を掲げ落書きをし、それをYouTubeに挙げSNSでシェアしたから、即刻警察に捕まった。彼らとしては、そこにウクライナからの難民を住まわせたかったようだ。

これがそのYouTubeで、しっかりと家の中まで見ることができる。


Biarritz.

この家は、厳密にはプーチンの次女カテリーナのというより、彼女が2013年から2018年まで結婚していた元夫で、プーチンのブレーンの青年実業家キリル・シャマロフと、2015年に別のオリガルヒ、ゲンナジー・ティムチェンコから買ったものだ。活動家たちは彼のパスポートなどの書類を発見している。

その後はこの関連ニュースがないから、何も動きはないと思われる。

しかし、どうやって、皆はそこがプーチンの娘たちの別荘だと知っていたのだろう。

プーチンの愛人のズヴェトラーナは、モナコに豪華マンションとヨットを保有していることが知られているし、南仏やモナコはオリガルヒまみれだから、地元で、あそこはロシアの誰々の別荘だと既に噂があったものだと推測できる。

よくよく探せば、パリマッチ誌の2015年の記事に、プーチンの娘でアクロバティックダンサーのエカテリーナ(カテリーナ)の旦那がビアリッツに別荘を買ったと書いてあるから、地元では有名なプーチンの娘と旦那の邸宅であったことは間違いない。

Futur de l’elite russe – Ekaterina, la fille de Poutine danseuse et milliardaire

2013年、若き大富豪はプーチンの娘と結ばれ、2015年に南仏の大邸宅を別荘とした。2018年、彼らは離婚した。2022年、プーチンが戦を始め、彼らのかつての愛の巣は、不法侵入されて荒らされた。

アクロバティックダンサーのカテリーナの人生もまたアクロバティックなもののようだ。

フランスのあらゆる情報を紹介する世川祐多さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: L_DM / Shutterstock.com

print
いま読まれてます

  • 活動家が不法侵入。プーチン次女の「愛の巣」別荘はなぜ特定されたのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け