脱マスクはいつ?厳しすぎる水際対策に外国人もうんざり、ウィズコロナで世界に遅れを取る日本

 

さて、ヨーロッパからの帰路も東回りで、トルコ、ウズベキスタン、カザフスタン、中国の上空を飛んで羽田空港に到着しました。日本到着の最初の「ようこそ」が検疫官になりました。

MySOSに登録してある内容の確認から検査の導線は空いているターミナルのスペースを用いて見事に計画されていました。アテンドするスタッフなどの人数も多く、テキパキと確認作業を進めてくれて迷いは全くありませんでした。さすが、日本人という感じです。

ただ着陸してからPCR検査の結果待ちまでの時間はおよそ1時間半。「ファーストトラック」の最短時間であっても、これだけの時間がかかりました。

ちなみに、緑色の画面のMySOSは内容をQRコードで確認するだけで、厚生労働省の正式な証明書の現物を準備する必要は結果的に全くありませんでした。

日本は政府の方針と日本国民の良識な行動により、世界においてもコロナ感染症に最も適応できた実績を誇ると思っています。

ただ、自国民が短期間の行程で海外から再入国する際に、これほどの手間、時間、そして、コストを負担させる方針を定めた方々は、恐らくご自身で海外出張に行ったことが無いのでしょう。

帰国した当日に、岸田首相がロンドンでの講演で6月にG7並みの入国が可能となる水際対策に緩和する方針を示したというニュースが流れました。日本でもウイズコロナにおけるノーマライゼーションの早期到来を求めます。

パリの街では、様々な人々の表情がマスクなしで、普通の生活の活況がありました。真面目であることは日本人の特長です。

ただ、間違ってはならないという神経質な体質は、能天気な自分自身の中にさえ感じる時があります。「枠」の中に留まることなく、「変化」を怖がることない心得が大事でありましょう。

真面目な日本人が働く企業が不正を起こすことも、「枠」の中に留まって視野が狭まってしまう傾向からではないでしょうか。

ただ本来であれば、真面目な体質であるからこそ高品質な製品やサービスが生じているはずです。高品質は日本企業の価値創造の要であり、ブランドでもあります。そういう意味で、「真面目」を人的資本として企業価値の非財務的情報と捉え、可視化させる工夫を思考すべきかもしれません。

世界で通じるからこそ、日本は真面目の本質を真に活かせるのです。

□ ■ 付録:「渋沢栄一の『論語と算盤』を今、考える」■ □

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「論語と算盤」細心にして大胆なれ

あまりに大事を考えて因循姑息となり、
いわゆる固くもなり、
惰弱に流るるごときことともなる結果、
進歩発展を阻害する傾向を生じては
個人の上においても、また国家の前途に関しても、
甚だ憂うべきことといわねばならぬ。

ウイズコロナの世の中において、現在の世界情勢において、日本が進歩発展するためには、渋沢栄一が指摘するように、真面目で細心にして大胆になる必要があります。

「論語と算盤」精神老衰の予防法

亜米利加は最も形式を構わぬ流儀であるから、
その眼から特に際立って見えるのかもしれぬけれども、
少しく形式に拘泥する弊害が強くなっておりはせぬか。
一体の国民性がそれであるとすれば、
これはよほど御注意せねばならぬことと思う。

アメリカや欧州などの社会的慣習は日本と異なる側面があることは確かです。ただ形式に拘ることが当たり前になって、その弊害が見えなくなっている側面もあると思います。

国民性が精神老衰に陥ることに気づかないようでは、経済社会の活性化はあり得ません。

謹白

image by : shutterstock

渋澤 健(しぶさわ・けん)

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