米中が手を組みウクライナ停戦?バイデンが水面下で進める仰天シナリオ

 

まず、中国国務院は4月25日、「第5回廉政工作会議」を開催しています。常務委員会からの参加者は3名で、李克強総理が会議を主導して重要演説を行ったそうです。残りの2名は、韓正副総理と、趙楽際(ちょう・らくさい)中央紀律検査委員会書記でした。定員7名常務委員会の中の3名が参加したこの会議は、「廉政工作」つまり「政治浄化」がテーマの会議で、高級幹部の汚職摘発が目的です。ちなみに、趙楽際中央紀律検査委員会書記は、この汚職摘発の責任者と言われています。

さて、この「汚職摘発会議」の直後、天津日報(電子版)は28日、廖国勲・天津市長(59歳)が27日に病死したと報じています。「病気は突発的」なもので、「応急手当てが施された」としていますが、欧米の中国ウォッチャーは、自殺説に傾いています。

亡くなった廖市長は、常務委員会の中で唯一の習近平の側近である、栗戦書・全国人民代表大会常務委員長(中国の国会議長にあたる)の元部下だとされています。そして、多くの解説は「趙楽際は栗戦書を汚職疑惑で徹底的に調べて」おり、元部下の廖市長は、その追及を受けて死を選んだとしています。真偽の程は分かりません。ですが、政治浄化の会議が25日、市長の死亡が27日、その公表が28日という流れから、そのような憶測が出ているわけです。

ちなみに、栗戦書は娘を通じた海外での蓄財疑惑が噂されており、仮に捜査で明るみに出るようなことがあれば、習近平政権には大きな痛手となるとされています。つまり、「ゼロコロナの失敗」と「腹心の汚職、その部下の自殺」という難題が、習近平には重なってしまったというわけです。

そんな中、5月8日には浙江省で「空が赤く染まった」という報道がありました。またこれと前後して、英語圏のメディアでは習近平闘病説というのが、まことしやかに流れ出しています。習近平は脳動脈瘤を患っていて、昨年暮れに入院したというのですが、真偽の程は分かりません。

時系列に沿ってお話ししていますが、それにしても5月16日になって上海市の宗明副市長がロックダウンを「6月に解除する方針」を明らかにしたのには驚きました。「感染拡大に歯止めが掛かったと判断し、厳格な外出制限を段階的に撤廃する」というのです。公共交通機関は5月22日から順次運行を再開するというのですから、上海は本気です。

という流れで考えると、中国では「汚職問題」と「ゼロコロナ失敗」の2つの問題で習近平とその周辺は大きく失点し、恐らくは李首相派の発言力が拡大していると考えられます。

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