ウクライナに学べ。国を守るため日本に必要な「攻撃を躊躇わせる」3つの能力

2022.05.29
 

反撃能力については、日本列島防衛のスタンドオフ能力としても位置づけることのできるトマホーククラスの巡航ミサイルの保有が相応しいと提案してきました。ここでは、反撃能力もトマホークそのものを友軍である米軍から提供を受けることによって配備までの時間を圧縮することを考えてみたいと思います。

保有の規模は、横須賀を母港とする米海軍の空母打撃群と米太平洋艦隊の巡航ミサイル原潜が搭載するのと同じ500発としましょう。これを海上自衛隊の護衛艦に簡易型の発射装置で搭載していくのです。

トマホークが登場した1980年代中盤、米軍の艦船は4本の発射筒を組み合わせた装置を搭載していました(巡洋艦・駆逐艦12隻は2セット、戦艦4隻は8セット)。これならVLS(垂直発射装置)のない護衛艦にも設置可能です。概数を弾き出すため、ここではVLS艦にも発射筒8本を搭載することにしますが、海上自衛隊の護衛艦47隻が搭載できるトマホークは合計376発になります。21隻ある潜水艦への8発程度の搭載も、そのための改修に取りかかる必要があるでしょう。

これが完了すれば、総計は544発になります。最初は米海軍が保有するトマホークを融通してもらい、同時に製造元のレイセオン社に発注していくのです。これなら、短期間に反撃力の整備が進もうというものです。

さらに増強する場合は、陸上自衛隊の特科(砲兵)部隊に配備していけば、「1発撃ってきたら1000倍返しをする」という韓国のキルチェーン(主力は短距離弾道ミサイル)なみの反撃力になるはずです。

ロシアと互角以上の戦いを見せているウクライナから、日本は友好国からの装備品の提供がいかに必要で、有効かを学ばなければなりません。平時の戦争を戦っているという自覚がないから、日本政府は何年先になるか不確かな装備品の導入計画を描いたりするのです。与党はこの角度からも防衛計画の大綱の改定などに斬り込んでもらいたいと思います。(静岡県立大学特任教授 軍事アナリスト 小川和久)

image by:Extra_Photographs111111/Shutterstock.com

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