中国・ロシア・北朝鮮という3正面脅威に直面する日本
これまでのところ、中国とロシアの結束したような行動は見られる一方、中国と北朝鮮、ロシアと北朝鮮が結束した軍事的挑発は見られない。24日と25日の合同飛行とミサイル発射はそれぞれ個別の事案であり、中露、北朝鮮がバイデン歴訪、クアッドに合わせてとった行動である。
しかし、米国がIPEF(インド太平洋経済枠組み)やクアッド、オーカス(AUKUS)など対中国を強く意識した多国間連携枠組みを強化すれば、それと対立する国々による多国間連携もいっそう強化される恐れがあろう。クアッド首脳会合直後、中国の王毅外相はクアッドに対抗するかのように南太平洋8カ国を次々に訪問したが、中国には南太平洋やASEANなど中小国を取り囲むことで米主導の陣営に対抗する狙いがある。
ウクライナ侵攻でロシアと欧米の対立が冷戦後最も激しくなる中、今後は中露の結束がこれまで以上に強まるだけでなく、中露が主導する形で対欧米を目的とした中小国取り込み外交がいっそう激しくなるだろう。その一環として、今後は日本や米国をけん制する狙いで、中国ロシア北朝鮮が結束して3カ国合同の軍事訓練などを実施する可能性があろう。日本は正に、中国ロシア北朝鮮という3正面脅威に直面している。
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