なぜ、現在でも3種類の年金を複数受給できる人がいるのか?

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ちなみに年金制度が新制度になった昭和61年4月1日より前の年金制度は、複数の種類の年金が貰えるという事がありました。重複して受給できるケースもあったわけです。

新制度の前は違う種類の年金を貰うというのも存在しました。特に共済年金が貰える人は、重複して国の年金も貰うようなケースがありました。

ところが、昭和40年代まではひたすら年金額を引き上げていった弊害で、いざ昭和48年の石油危機という大きな不況が襲い掛かってきた時に、昭和50年代になると年金額は抑制していかなければならないようになりました。

昭和50年代になると国の財政は赤字に転落したので、なんとかして無駄を削減しなければならない状況になりました。

この辺の経緯は今までも話してきた事なのでこの記事では割愛しますが、複数の年金を貰うというやり方もその時に見直される事になりました。

昭和61年4月1日の新年金制度になると「1人が貰う年金は1つの年金!(一人一年金の原則)」が徹底され、複数の種類の年金を貰うという事が出来なくなりました。

それまでは重複してもらえる年金があったりしたので、例えば厚生年金からの障害年金と国民年金からの老齢年金が同時受給できたりしました。

今の制度は障害厚年と国民年金からの老齢基礎年金は同時受給は不可ですよね。

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※参考
昭和61年3月まで旧時代の厚生年金からの障害年金受給者は国民年金に強制加入ではなく、任意加入扱いでした。

旧時代は「厚生年金制度から年金貰えるなら、国民年金に無理やり加入させなくてもいいよね」という考え方だったからです。

任意加入しなければカラ期間。

しかしながら国民年金に任意加入して保険料を払えば将来は国民年金が貰えるので、受給してる厚生年金からの障害年金受給者の人が積極的に任意加入していたりしました。

なお、旧時代の国年は老齢年金と呼び、新時代の国年からは老齢基礎年金と呼びます。
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そのため昭和61年3月までの制度の時は障害厚年受給者の人が、老齢の年金である国民年金も将来は受給するためにせっせと保険料を納めていた事がありました。

しかし、昭和61年4月からは法律が変わって突然に障害厚年と国民年金からの基礎年金は同時受給が不可になり、それまで頑張って国民年金保険料を納めていた人は期待を裏切られたわけですね。

突然、2つの年金は受給出来ませーん!ってなったので、今まで任意加入してでも国民年金払ってきた意味が薄れてしまいました^^;(もちろん障害年金は一生貰う年金ではない事も多いので、国年を支払っておく事は意味がある事ですけどね)

だからそれを慮ってか、今まで支払った国民年金保険料を返すという措置が設けられました(当時、特別一時金という)。

こういうエピソードもあったわけです。

ただし、老齢の年金の種類(老齢厚生、老齢基礎、退職年金等)、障害の年金の種類(障害厚年、障害基礎)、遺族年金(遺族厚生、遺族基礎)の種類などの同じ種類の年金は同時に受給する事が出来ます。

さて、現在は複数の種類の年金を貰うのはもちろん不可ですが、そうじゃない事もあります。

今回は障害年金と遺族年金と老齢の年金の3つを貰える人の事例で見ていきましょう。

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