岸、児玉、笹川にCIA。統一教会と自民を繋いだ「黒幕」たちの魂胆

 

児玉誉士夫 戦後最大のフィクサー

児玉誉士夫は、戦後の最強(最恐)フィクサーだ。もとは右翼の大物であり、戦前に中国に進出、外務省および嘱託として、汪兆銘傀儡政権の樹立工作に関わる。

さらに、海軍の軍需物資を調達する「児玉機関」を上海に設立。終戦直前に児玉機関の資産をひそかに日本に空輸して、帰国した。

戦後は、A級戦犯として巣鴨プリズンに3年近く拘留されたものの、アメリカの情報機関との関係を構築。とくにロッキード社の関係は深く、ロッキード事件の“黒幕”とも呼ばれた(*4)。

1976年、ロッキード事件が発覚し、田中角栄元首相らが逮捕された。だが、ロッキード社や丸紅、全日空を経由し、賄賂の受け渡しの「ハブ」となった人物が、この児玉誉士夫だ。

ロッキード事件は旅客機販売の商戦で起きた。ロッキード社はマクダネル・ダグラス社を抑えて全日空から受注を獲得し、勝利。しかし激しい商戦の舞台裏では、「インテリジェンス」が微妙に絡んだ人脈が力を発揮していた。

窮地に立ったロッキード社のために、形成を逆転させるよう、ときの中曽根通産相に依頼したのが児玉だ。

統一教会の創始者である文鮮明は「反共産主義」を掲げる政治団体、「国際勝共連合」を1968年に設立、その創設メンバーとして、児玉誉士夫も名を連ねた。

笹川良一 日本財団の創始者

笹川良一は、大正・昭和期の政治家であり、社会奉仕活動家。座右の銘は、「世界一家、人類兄弟」。自身は、テレビCMにも出演していた。

衆議院議員や国際勝共連合の名誉会長、財団法人日本船舶振興会(のちの公益財団法人日本財団)の会長を務める。

戦前は、自身を「大衆右翼」と位置づけ、イタリアのムッソリーニを崇拝、大衆運動の合法的な組織化に力点を置き、国粋大衆党を結成。

戦後は、A級戦犯へ指定、巣鴨プリズンに3年間収監されるも、のちに不起訴となり釈放された。

出所後は、モーターボート競走法設立に力を入れ、社団法人全国モーターボート競走会連合の設立に関与。

さらにモーターボート競走の収益金で日本の造船事業の振興を進め、また福祉事業を助成するために財団法人日本船舶振興会(のちの日本財団)を創設。

メディアからは、「ファシスト」「右翼」「日本政財界の黒幕」「右翼のドン」と呼ばれ、CIAのエージェントでもあった。同時に社会奉仕活動に力を入れ、CMで「一日一善」「戸締まり用心、火の用心」を呼び掛けた。

1963年に統一教会の日本支部の顧問を引き受け、同年の6月4日に合同結婚式にも夫妻で参列。

統一教会が1968年に結成した国際勝共連合でも結成時から名誉会長を務めてはいたものの、統一教会の布教活動が問題視されてきたころに、距離を置く。

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