CIA 逆コース 日本を反共の砦として
1997年、アメリカのドラルド・フレイザー下院議員は、統一教会への調査を開始。
444ページにおよぶその報告書では、賄賂、銀行詐欺、違法なキックバック、そして武器販売について、「ムーニー」とよばれる統一教会の2万人の信者が関与していると主張(*5)。
同時に、統一教会そのものが、韓国中央情報局(KCIA)により「つくられた」存在であると明らかにした。
報告書では、ムーニーたちは、アメリカの外交政策に影響を与える“政治的道具”として、KCIAの長官であったキム・チョンフィルと協力。また、そもそもCIA自体が、第二次世界大戦後にKCIAを設立した主要な機関であった。
統一教会の文鮮明と日本の“ファシスト的”な仲間である児玉誉士夫と笹川良一は、1960年代にKCIAエージェントの援助を受け、アジア人民反共産主義連盟を結成する。
戦後、アメリカにおける対日政策を大きく転換、それは「逆コース」と呼ばれた。逆コースにおいて、対日政策はリベラル政策一辺倒というよりも、日本を「共産主義の防波堤」にしたいアメリカの思惑が動く。
その思惑のもと動いたのが、岸信介や児玉誉士夫、笹川良一であり、彼らの潤滑油として統一教会と国際勝共連合が機能したのだ。
■引用・参考文献
(*1)「自民、旧統一教会との関係発覚相次ぐ 世論の批判警戒、野党は追及」時事ドットコムニュース 2022年8月1日
(*2)魚住昭「昭和の妖怪・岸信介は『アヘン密売』で絶大な権力を得た!? 今さら聞けない『満州国の裏面史』」現代ビジネス 2016年7月31日
(*3)デイリー新潮「『文尊師は誠実な男』 岸信介が統一教会トップを称賛した“異様”な機密文書」Yahoo!ニュース 2022年7月29日
(*4)春名幹男「ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス」角川書店 2020年
(*5)Reverend Moon: Cult leader, CIA asset and Bush family friend
(『 モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版) モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版) 』2022年8月5日号より一部抜粋・敬称略)
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