「国家情報局設置法案」に残る大きな疑問。“雑多な情報収集”から“戦略情報分析”への転換という絶望

th20260407
 

国家の命運を左右しかねない「インテリジェンス」の重要性。しかし我が国では、その本質的な意味や役割について十分な議論が尽くされないまま、新たな情報機関創設へ向けた動きが進んでいます。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、内閣情報調査室を格上げする「国家情報局」設置法案を取り上げ、日本に欠け続けてきた「戦略情報分析」の視点を検証。さらに戦前の「内閣情報局」や「企画院」の歴史も振り返りつつ、日本社会に根深く残る「インフォメーション偏重」とも言うべき問題と、本当の意味でのインテリジェンス能力を育めない構造について論考しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:「国家情報局」設置法案が簡単に衆議院を通過したが、こんな役所に国の生き死にを賭けた戦略判断を委ねられる訳がないだろうに!

プロフィール高野孟たかのはじめ

1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

「国家情報局」設置法案が簡単に衆議院を通過したが、こんな役所に国の生き死にを賭けた戦略判断を委ねられる訳がないだろうに!

高市早苗首相の言う「国論を二分する重要施策」の第1弾として、内閣情報調査室を格上げして「国家情報局」とし、それを首相以下関係閣僚が統括する「国家情報会議」を新設するという法案が、4月23日衆議院を通過した。

中道改革連合はじめ国民民主党、参政党、チームみらいなども賛成したので、参院でも通過し7月にもこの体制づくりが始まる公算が大きくなっている。

しかし、既存の役所の組織をいじくって看板を掛け替えさせ、同じ人材を流用しただけで、我が政府機関に「雑多情報収集(information gathering)」から「戦略情報分析(intelligence analysis)」への質的転換が生じるなどということがある訳がない。

何よりも、そもそもこの法案を作った国会議員の皆様方に、本当の意味のインテリジェンスの素質が備わっているのかどうか。まずはそこから議論が始まらなければお話にならない。

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