「核の脅し」も通じず。プーチンは戦争資源の欠乏間近で敗戦が確定へ

shutterstock_2130039335
 

西側諸国から大量の武器供与を受け勢いづくウクライナに対して、兵員不足が指摘されるロシア。両軍の攻防は現在膠着状態にあると言われますが、開戦から半年を超えたこの紛争は、今後どのような展開を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、最新の戦況を振り返りつつ、ロシアの勝利がなくなったと分析。さらにロシアの敗戦前提で構成される世界秩序においては、中国の立ち位置が問題になるとの見立てを記しています。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

 

ロ軍の戦争資源欠乏を待つ

ウクライナ戦争はウ軍がロシア後方の補給基地、空軍基地を叩き、ロ軍の戦争資源が枯渇してきた。しかし、ウ軍は当分、総反撃しないという。今後を検討しよう。

ロシアがウクライナに2月24日から侵攻してから半年が経過した。そして、ウクライナ独立記念日は8月24日であった。

ウクライナでの戦闘では、引き続き、ウ軍はクリミア半島やヘルソン州、ザポリージャ州のロ軍の弾薬庫や兵站拠点、司令部、空軍基地などを撃破して、ロ軍の攻撃力を大幅に減少しているが、この数日は、ロ軍攻撃が一段と減少してきている。

クリミア半島の57mm対空機関砲「S-60」が昼夜ともに、迎撃のために57×348SR弾が発射されている。UAVを頻繁にウ軍はクリミアに飛ばしているようだ。

そして、シリアに配備していたS-300防空システムをクリミアに移転させたようである。このようにクリミアの防空体制が整い、簡単には攻撃できなくなったようである。

しかし、それでも対空ミサイルで対処せずに、対空機関砲を撃つような状態である。安いUAVなので、対空ミサイルを使用しないのかもしれない。

このため、ウ軍もクリミアでは、パルチザン活動を中心に攻撃をするようである。

ロ軍は、戦争資源が枯渇してきたので、バクムットやドンバス方面に優秀部隊を集めて、一点突破を志向していた。それがピスキーであり、ウ軍は、持ち堪えられなくて撤退したが、ロ軍の攻撃が止まったので、ウ軍がピスキーの奪還に動き、市の西側に前進した。

バクムットでは、ソルダー攻撃のスペツナズの消耗が大きく、交代としてカディロフツィを投入したが、真偽不明ながら、そこでスペツナズとカディロフツィが、血みどろの銃撃戦を繰り広げたようだ。このため、ロシア連邦軍参謀本部情報総局GRUの高官が呼ばれたようだ。

ということは、ここに展開していた部隊は、GRUのスペツナズであり、チェチェン部隊を軽蔑していたが、これと交代ではプライドを大きく傷ついたのであろう。

そのためがどうか、ソルダーでもロ軍は前進できないでいる。

ポスロフスキーには傭兵ワグナーを投入した、こちらも前進できていない。最優秀部隊でも損耗が激しく、戦争資源が尽きてきているようだ。

ウ軍の主力部隊がいる南部ヘルソン州では、ドニエプル川西岸地域に展開するロ軍は補給が細っているが、それでもロ軍は多数の戦車とTOS-1の猛攻でブラホダトネを攻撃占領した。ウ軍は一度奪還したが、再度奪われたことになる。

ドニエプル川西岸でもロ軍戦車隊を集中して、攻撃してくるようであり、ロ軍も意地を見せている。ここのロ軍は東部に展開していたロ軍メインの戦車中心のBTGであり、ウ軍も気を付ける必要がある。

しかし、ヘルソン州の西端のオレクサンドリフカは、ウ軍が抑えたようであり、ロ軍はこの街を空爆している。この方面でウ軍は情報統制しているのでよくわからないが、ロ軍の動きから見える。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • 「核の脅し」も通じず。プーチンは戦争資源の欠乏間近で敗戦が確定へ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け