―最大懸案である強制動員被害者問題はどう解決すべきか
「このように話すのはちょっとあれだが、日本としてはこれ以上できることがない。韓国政府がうまく解決してほしいと言うしかない。代位弁済(韓国側が先に賠償し、後日日本に請求する方式)案もいいと思う。韓日関係がいつまでも暗い夜であってはならない」
―輸出規制など他の懸案の解決策は…
「一気にビッグディールで解決しなければならないのではないか。韓国が徴用工(強制動員被害者の日本式表現)問題をきちんと解決すれば、輸出管理、慰安婦、レーダー照射(狙いを定めてレーダーを打った)問題などは納得できる水準で一括的に解決できる。日本国内で「韓国との関係改善は必要ない」と主張する人もいるが、声が大きいだけで、少数に過ぎない。韓国が動けば、日本はキャッチする準備をしている」
―韓国では日本の軍事大国化に対する憂慮がある
「十分理解できる。しかし、ロシア、中国、北朝鮮ならともかく、国内総生産(GDP)の1~2%を防衛費として使うことで軍事大国と言うのは行き過ぎた政治的批判ではないか。ドイツも防衛費を増やすのではないか。日本、韓国、オーストラリアなどアジア太平洋で影響力を持つ国々が努力しなければ中国の圧力を抑えることはできない」
いや、恥ずかしながら筆者は長島昭久という人を知らなかった。この東亜日報の記事に接してはじめて知ったわけだが、非常にバランスのよい政治家だと思う。インタビューの中で、徴用工問題に対して「日本としてはこれ以上できることがない。韓国政府がうまく解決してほしいと言うしかない」には全く同感で、まずは韓国になんとかしてもらうしかない。また「日本国内で韓国との関係改善は必要ない(さらに激しくは韓国などとは断絶せよ)」と主張する人もいるが声が大きいだけで少数にすぎない、にも同感だ。いくら韓国が嫌いでもなんとかしていく以外に道はないのだ。長島議員の言うように、韓国政府の現在の外交安保チームはこの10年間で最高のメンバーが集まった超一流だ。大統領の尹錫悦氏も非常に親日傾向の強い人だ。この時期になんとかできないと、その後は茨の道となることはまちがいない。
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