厚生年金に入れない非正規雇用者がこんなにも増えたのはなぜか?

Japanese man with a pension book
 

2.なぜ厚生年金に入っていない上に、会社にとって都合のいい非正規雇用者が急増したのか。

ところで、先ほども申し上げたように非正規雇用者2000万人程のうち1000万人程の人が厚生年金に加入していません。

これは先ほどの4分の3以上の基準に満たないからというのもあります。

じゃあ、厚生年金に加入していない非正規雇用者の人は何の社会保険料を支払っているのかというと、自ら国民年金保険料(令和4年度は16,590円)と国民健康保険料(所得による)、介護保険料を納めています。

厚生年金に入ってる人は半分は会社が負担してくれますが、厚生年金に入っていない場合はすべて自分が全額負担する事になります。

かといって、厚生年金加入者のほうがすべてにおいて安い保険料で済んでるというわけではありません。

厚生年金被保険者の保険料は18.3%の保険料率で取っているので、給料が高い人ほど納める保険料も高くなります。
例えば厚生年金の最高給与(標準報酬月額)である65万円の人であれば、18.3%の半分である9.15%の59,475円を毎月支払います。
会社側も毎月59,475円支払います。

で、賞与ですが賞与は1回の支払いにつき最高限度額150万円に保険料率掛けて徴収しますが、そうすると150万円×9.15%=137,250円を会社と折半します。

国民年金保険料のみだと毎月16,590円の定額であります。

だから、全体で見れば厚生年金の被保険者の人のほうが国民年金保険料のみ支払ってる人より多く支払ってるでしょう。

ただ、厚生年金加入者と国民年金のみの加入者の人の決定的な違いは、将来の年金額です。

国民年金だけだと老齢基礎年金満額777,800円(令和4年度満額)が基本的に上限ですが、厚生年金加入者は基礎年金の上に更に報酬に比例した年金である老齢厚生年金を受け取る事が出来ます。

老齢厚生年金は過去の給与水準で年金額が決まるので、給与が高かった人は多い年金になるし、低かった人は年金額も低くなります。

まあでも国民年金のみの時よりも手厚い保障となりますので、厚生年金に加入できるなら加入したほうが年金受給する際は安心感が増します。

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※参考
自営業が主に加入する国民年金のみ(満額は65,000円くらい)と、サラリーマンが加入する厚生年金(モデル平均月額15万円)はどうして今額がこんなに違うのか。
そりゃあ、厚生年金は基礎年金の上に報酬比例があるからだろうって話ですよね。

この理由としては自営業者と違ってサラリーマンは定年があるからです。

もちろん自営業は年金額が少ないので、自分の自助努力が必要にはなってきますが、いろいろ税が優遇された資産形成のための制度があるので余力があればサラリーマンより何かとやりやすいからというのもあります。

自営業とサラリーマンどちらが有利不利かは一概には言えないところではあります。
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このように厚生年金に加入すると会社が半分負担するし、年金貰う時はより手厚くなるしで、会社に勤めている人はその点はやっぱり結構恵まれていると言えます。

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