大統領候補にフロリダ州知事推しか?白熱のメディア王vsトランプ

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前面に立ち戦った中間選挙で共和党に大勝をもたらすことができず、党内から責任を問う声も上がっているトランプ前大統領。15日には次期大統領選への出馬を表明しましたが、逆風は強くなるばかりのようです。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、かつての盟友でメディア王のルパート・マードック氏が展開し始めた、露骨な「トランプ批判」の内容を紹介。さらにマードック氏が共和党の次期大統領選候補として、トランプ氏がライバル視するフロリダ州知事を推すのでは、との見立てを記しています。

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“メディア王”は傘下のメディアを使い、トランプ批判 次期大統領にフロリダ州知事推しへ

アメリカの中間選挙は13日時点でも開票作業が続き、野党である共和党が連邦議会下院(定数435)で新たに1議席を獲得、過半数の218まで残り6議席に迫った。

一方、上院(定数100)では、バイデン大統領率いる与党の民主党は、ネバダ州で勝利、多数派維持を確実にする(*1)。

共和党が圧倒的に優勢とされた選挙は、しかし民主党の巻き返しで予想外の接戦となった。

事前の世論調査で民主党が上下両院を失う可能性も指摘されていただけに、上院の死守はバイデン大統領の大きな成果であるともいえる。

人工妊娠中絶の権利擁護と「選挙否定派」などをめぐる民主主義の危機の訴えが、とくに若年層を中心に広がったとも。

予想外の苦戦を強いられた共和党内では、トランプ前大統領が選挙戦で前面に出たことが、逆に支持離れにつながったとみて批判が出た。

トランプ氏が15日も予定するという2024年の大統領選挙への再出馬を見送るべきとの声も上がっている。

しかし米国メディアによると、下院は14日午前10時(日本時間15日午前0時)で、共和党が212議席、民主党は204議席を確保している(*2)。

下院で共和党が多数を奪還すれば、上下両院の多数派が異なる「ねじれ」が生じることに。

目次

  • 予測された「予想外の展開」
  • 今後の見通し
  • 一方、“メディア王”は傘下のメディアを使い、トランプ批判 次期大統領にフロリダ州知事推しへ

予測された「予想外の展開」

ただ夏の時点では民主党の勢いがあった。

近年、アメリカに限らず、世界中で行われている世論調査が次々と外れている。従来とは違った、“地殻変動”を既存の世論調査は掴みきれていないし、世論調査そのものへの疑義も呈される事態に。

ニューヨーク・タイムズは7月12日、中間選挙について、選挙動向の詳細に定評のあるシエナ・カレッジ(Siena College)と合同で実施した調査結果を発表。

その結果、過去の民主党と共和党の伝統的支持基盤に大きな変化が生じ、新たな傾向がみられるとした。

これまで、トランプ氏を支持する人の大半は、ペンシルバニア州やオハイオ州、ミシガン州などの中西部“ラストベルト”地帯や、保守的な南部の州に居住する大学卒業以下の白人層で占められてきたとされる。

ところが、全人口に占める「Bachelor(学士号)取得者」が増え始めるとともに、高卒またはそれ以下の人口の割合が減り始めた。それとともに、女性層や大卒以上の白人層に民主党支持増が増えてきたという(*3)。

さらに選挙前に共和党の支持率が上がり始めたのは、保守系の世論調査会社の結果だった(*4)。

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