豊富なバリエーションを提供し、2023年にも日本を抜いて世界最大の自動車輸出国になる見通しの中国ですが、トヨタをはじめとする従来メーカーの存在感はまだまだ強烈のようで、国内では「中国自動車市場のガラパゴス化」と指摘があるそう。今回、中国の自動車業界情報を届けているメルマガ『CHINA CASE』で詳しく解説しています。
世界最大なのに「中国自動車市場こそガラパゴスだった」理由は
最近発表された2022年世界で最も売れた車種ランキングを紹介した中国自動車情報メディア「智駕網」は2023年4月7日、公式WeChatで、「驚くべきことに、世界の自動車市場の状況は、世界最大の自動車市場である中国とは全く違う」、「中国市場でのパフォーマンスは、世界の自動車市場におけるパフォーマンスを代表し得ていない」などと指摘、中国の現状の新エネルギー車(NEV)を中心とした自動車市場では世界の自動車市場を語り得ない、として、いわば中国市場のガラパゴス化を指摘した。
やはりトヨタが存在感
発表された2022年車種別販売ランキングでは、1位、2位をトヨタが独占、それぞれカローラが112万台、RAV4が87万台となった。トヨタで言えば、5位にカムリ67.5万台、9位にハイラックス56.4万台がランクインしている。
4位には米テスラModel Yの78.6万台、7位は同Model 3の59.6万台がランクイン、「智駕網」では「テスラ2車種を足しても、カローラ1車種を大きくは上回らない」とした。
中国ではBYDが急成長を果たしている、とは言え、引き続きテスラも好調。そのテスラも世界市場で見ると販売台数ではトヨタに全く歯が立っていない、というのは、中国人としては極めて違和感を覚える状況のようだ。
「中国では現在、BEV、PHEV、REEVが極めて豊富なバリエーションを市場に提供しているが、このランキングでほとんどNEVが見られないのも特徴」であり、最新世界ランキングが中国人の肌感に合っていないことを強調した。
世界はピックアップも主流
ランキングではガソリン車(HEV含む)が主流を占めている他、やはり中国では考えられない現象をもう一つ、「智駕網」では指摘している。
「ハイラックスの他、3位にフォードFシリーズ、8位にシボレーSilveradoと、ピックアップトラックがランクインしている。これも中国人を驚かせる」。中国でもピックアップトラックが徐々に人気にはなってきているものの、市場に占めるシェアはわずかに数%。
ガラパゴスの自認を
これらを踏まえて「智駕網」では、下記のように総括、中国市場における一喜一憂はグローバル市場ではほとんど無意味だとして自戒した。
1.中国市場のパフォーマンスは世界市場を代表しえない
2.従来メーカーの市場規模は非常に大きく、テスラや中国新興がこれを超越するのは一朝一夕には無理
3.ガソリン車とNEVの競争は、まだ結論が出ていない上、従来メーカーの世界市場における存在感は極めて大
出典: https://mp.weixin.qq.com/s/mcP4kr-RayPffd6_-gg86Q
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