上司であるあなたが解を知らない、当然対応している部下もどうして良いか分からない、となると事態は深刻で、それはもしかしたら、その部署では初めての事案なのかも知れません。ということは、相応の時間が掛かることを覚悟しなきゃならないわけです。
その時間の調整を当事者である部下に丸投げしてはいけません。だってその部下は、自分たち的には初めての難題に対処しようとしているんですから、それ以外の雑事に手と心を使わせちゃならないんです。仕事に集中させてあげなきゃならないんです。だからそういう時は、上司が出張って、周りの人を納得させなきゃならないんです。
上司としての権力と影響力を徹底的に使って、時間稼ぎをしてあげる、それが部下を守るということですよ。
もちろん、その部下が自分ではどうにもならないわと、白旗を揚げる時もあるでしょう。そういう時には、その仕事を部下から取り上げる、抜き取ってあげて、その仕事に対する責任からリリース(解放)してあげなきゃならないんです。それをせずに、相変わらず部下に押しつけて放置してしまうから、心療内科のお世話になる羽目に陥ることになるんです。
できないって言ってるんですから、代わりのできる人をどこかから持って来るか、その仕事自体を諦めるか、という決断が必要なんですよ。だって上司であるあなたにだって解決ができないんでしょ。
上司としてマズいのは、自分が手に負えない仕事を、自分の監督下つまり自部門に配置しているのに、その仕事に対する責任を持たないってことなんです。この場合に「責任を持つ」ということの意味は、その仕事が決着するまで、その仕事を自分の視野の範囲内に置いておくということですよ。
■ ○○君に任せておいたので、私はどうなっているか分かりませんでした
なんてクソな報告をしたらアカンのです。それは任せておいたのではなく、自分でも出来ない仕事を部下に押しつけて、見て見ぬ振りをしたということなんですから。
自分の抽斗を開けて、解決させられない仕事を部下にやらせる時は、上司はその部下の最大の応援団にならなきゃならないんです。これが分からない人が多すぎます。
部下に好かれる上司、慕われる上司ってそこを外さないモノですよ。
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