潰れかけのホテルを次々買収し再生。激安スイーツ店「シャトレーゼ」が始めた“画期的な試み”

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国道沿いなどを車で走るとよく見かける、しゃれた洋風の外観を持つ激安スイーツ店「シャトレーゼ」。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、著者の佐藤きよあきさんが、そんなシャトレーゼが最近力を入れているという「ホテル」再生事業 を紹介。庶民の味方である激安スーツ店ならではのホテル進出戦略を分析しています。

スイーツでホテルを再生!?シャトレーゼは何を目指しているのか?

美味しいスイーツを激安で気軽に買うことができるお店「シャトレーゼ」。

国内外に約900店舗を構え、ただいま熱いファンを増産中。毎日通うマニアの姿も。

この大人気スイーツショップが、新たな事業を展開し始めています。

特に力を入れているのが、ホテル。

苦境に陥ったホテルを次々と買収し、再生させているのです。

なぜ、スイーツを製造販売する会社が、ホテルを手掛けるのでしょうか。

しかも、潰れかけのホテル。

本業が思わしくなく、別事業で収益を確保しようとするのなら理解できますが、それなら、わざわざ危機的状況の中に入る必要はありません。

それに、シャトレーゼは10年以上連続で売り上げを伸ばしている優良企業です。

経営幹部はこう言います。

「上手くいっているホテルに関心はない。業績の良くないところにチャンスがある」

なるほど、楽しんでいます。

ビジネスへの好奇心・探究心とでも言うのか、自分たちの可能性に挑戦しているようです。

しかし、こうしたチャレンジは、本業が好調だからこそ、できることです。

業績が悪化している中では、あまりにも力が入り過ぎ、余裕がありません。

優れたアイデアは、心のゆとりがあるところに生まれます。

シャトレーゼが生み出したアイデアは、「スイーツ×ホテル」。

そのホテルに行けば、シャトレーゼのスイーツを思う存分楽しむことができるのです。

スイーツをテーマにしたホテルは、これまで存在していません。

新しい発想であり、新しいおもてなしが誕生したのです。

あるシャトレーゼホテルでは、チェックインすると、「ウェルカムスイーツビュッフェ」が楽しめたり、食事時には「ケーキバイキング」がついていたりします。

温泉から出ると、「アイスの食べ放題」もあります。

お土産品の売り場には、製造工程が見える「バウムクーヘンの工房」があります。

宿泊客以外でも楽しめるよう、レストランでは「スイーツビュッフェ」が開催されることもあります。

徹底したスイーツ推しを喜ばないお客さまはいません。

特に女性と子どもは、ずっと笑顔でいられるホテルなのです。

こんなに嬉しいおもてなしをしてくれるホテルが、他にあるでしょうか。

スイーツをテーマにしたことで、まったくの別業種である菓子販売店とホテルの客層が同一化したのです。

つまり、約900店舗のお客さまが、すべてホテルの見込み客になったということです。

非常に心強いビジネスモデルだと言えます。

シャトレーゼは、他にもゴルフ場やスキー場、ワイナリー、ガーデン施設も手掛けており、これらでもスイーツをテーマにした、おもてなしを提供しています。

さまざまなレジャーとスイーツを融合させることで、人びとに心癒される時間を届けてくれているのかもしれません。

image by: 投稿者自身による著作物, CC BY-SA 3.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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