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言い訳ばかりする人は、なぜ「成功事例」を自分に応用しようとしないのか?

前回、前々回と世界における「ビジネスの成功事例」を紹介してきたメルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』。著者で営業実務コンサルタントの島田安浩さんは、この成功事例を自分のビジネスで応用するためのコツについて語っています。

あなたの商品を【爆発的に売る!】視点の切り替えとは?!

2週にわたって、素晴らしい成功事例を紹介しました。

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この成功を、「他人の成功だから」とか、「業界が違うから」とか、「資本力が違うから」とか、言い訳をするのではなく、自分の事として考えて、「自分のビジネスで成功するには?」と、考えてみましょう。

(中略)

リステリンの場合は、「口臭」という言葉を作りました。「リステリン」という商品を売るのではなく、問題を作り出したのです!

それまでの消費者には、口臭という概念が無かったです。だから、現状に満足していたのです。「口臭予防」などを考えはしないのです。

そこに、「口臭」という言葉を作ったことで、現状に満足していた人の心理に変化が生じたのです。

「エっ?」
「もしかして、」
「私にも口臭が???」

満足を不満足にすることに成功したのです!

「ヤバい!」と、いう気持ちにさせたことで、リステリンという問題解決策がドンドン売れたのです。

ムチャクチャ頭がイイ!ですよね、満足を不満足にすることで、購買行動に移行するという、購買心理をよくついた戦略です。

デビアスの場合は、「結婚(婚約)指輪=ダイヤモンド」という文化を作りました。風習と言ってもいいでしょう。世の中の当たり前にしたのです!

それまでは風習が無かったから、結婚指輪を贈る必要も無かったのです。江戸時代や明治にはそういう風習が無いです。大正になって一部で始まり、デビアスのキャンペーンが始まって1965年以降に、贈るものだと世間を教育したのです。

満足を不満足にするというよりも、物が無かった時代を創造したイメージかも知れません。

子供の頃、隣がTV買ったから、うちはカラーTVを買う!とか、○○さんが、エアコンを買ったそうだから、うちもエアコンを買うぞ!そういう競い合って買うような雰囲気がありました。

ダイヤモンドの結婚指輪を買うのは愛していれば当たり前!ダイヤモンドの結婚指輪が無いのは恥ずかしい!

デビアスはそういう教育をすることで、消費者の頭に「ダイヤモンドの結婚指輪を買うものだ」と植え付けて、結婚指輪を買うのは当たり前にしたのです!消費を創造したわけです。

この戦略が成功するのは、デビアスのように、市場の90%を保持していることも大きな要因でしょう。ダイヤモンド=デビアスなので、どこのダイヤの指輪をお客さんが買っても、大元はデビアスから出ているのです。だから、文化の創造でムチャクチャ利益が爆発したのです。

バレンタインのチョコや、恵方巻とは違って、1社がそのまま利益を総取り出来るから凄いわけです。

実際、ロシアからダイヤモンドを輸出させないように、ロシアに毎年500億円を支払っていたそうです!「1個の企業が、国に、輸出を止めさせる」ほどに、デビアスという会社は儲かっていたのです。まあ、スケールがデカすぎて意味不明ですよね…。

このように、結果だけを見ると、何と無くできそうな気がしますし、「そりゃそうだ!」「そうすればいい」と、言えるのですが、では、あなたのビジネスや、あなたの商品を売る場合に、どうすればいいのか?

これが、なかなか難しいわけです。

まず、商品に注目するのではなく、消費者に注目する必要があります。リステリンも、デビアスも、消費者を教育して成功しています。同じように、あなたも消費者を教育することです。

商品ではなく、消費者の心理に注目するのです!結局は、人間は感情の動物なので、感情が動けば売れますし、感情が動かなければ売れないのです。

感情に焦点を当てて、教育することです。そうすれば、自然とその商品が売れるのです。教育によって、お客を育てる感覚です。

UTMの場合を例にお話ししましょう。UTMというのは、Unified Threat Managementの略でして、統合型脅威管理と言われる商品です。ネットワークのセキュリティー機器です。

ただ、UTMを売ろうとすると失敗するので、UTMは前面には出しません。

どのようにやるのかと言うと、「最近、お客様から問い合わせが増えて来たので、ご連絡させて頂いていたんですが、」と、お客様のために、順番に連絡をしていますというイメージでアプローチします。「ネットのセキュリティーとか、ネット接続のスピードとか、ネット関係のトラブルに関する問い合わせが増えているんですね、」と、いう感じです。

まあ、今の時代に、パソコンを仕事で使わない会社は皆無です。どんな会社にも1台ぐらいはパソコンがありますし、パソコン無しでは仕事に成りません!

お客様は、多かれ少なかれ、ネット関係のトラブルや、なりすましメールなどの迷惑メールを日々受けています。また、TVでもサイバー攻撃の被害の報告が毎日のように上がっていますので、自分のところは大丈夫だろうか?という気持ちは持たれています。

みんな不安だから、プロが無料点検してあげます。また、現状のネットのセキュリティーやサイバー攻撃の実態などを、ご紹介しますね、という、アプローチをするのです。

全て、お客様のために好意で行っているというスタンスで回る必要があります。売込みではなく、他のお客様で被害も出ているので、地域の皆さんのためにというイメージです。

もちろん、最終的にはUTMやセキュリティースイッチやサーバーの販売につながる可能性はありますが、売れなくても、お客様を教育することに意味があるのです。

実際、UTMの商談の場合、1回目は、情報を伝えただけ、半年後に、また、情報を伝えて、少し教育した感じ、また、半年後に再度教育したら、決まった!なんてことがよくあります。教育を継続することが重要なんです。

そして、私の場合は、紙芝居で作り込んだ教育プロセスをipad画面にビジュアルを見せながら、順番に紙芝居さながらに話すだけです。その紙芝居が教育プロセスに成っています。自然とお客様を教育できます。

しかも、自然と「信頼できるプロ」というように、お客様に思ってもらえるのです!つまり、お客様からすると、先生に教わっている感じに成るのです。その先生が、「もうUTMだけは付けておいた方がいい時代に成りました」と言われるから、「じゃ、やろうか」になります。そういう、教育によって結果的にUTMが売れています。

これは、あなたの商品でも応用可能だと思いますので、ぜひ、あなたの商品でやってみてください。

image by: Shutterstock.com

島田安浩(営業コンサルタント)この著者の記事一覧

最初売れない営業マンだった私が、売れるようになり、日本でトップセールスに登りつめ、経営者として株式公開した。その営業ノウハウを、売れる営業の常識と売れない営業の非常識と言う観点で分かり易くまとめた。

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【著者】 島田安浩(営業コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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