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元国税もア然。消費税をめぐり財務省と増税クソメガネがついた嘘八百の数々

9月19日に行われた記者会見で、少子化対策等の財源として「消費税などの増税から逃げてはいけない」と発言した経団連の十倉会長。現在も消費税の税収は社会保障に使われているとされていますが、その説明は額面通り受け取っていいものなのでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村さんが、国会答弁で明らかになった消費税収の「使い道」を誌面で紹介。さらに「消費税は少子高齢化の一因」という自説の正しさを、さまざまなデータを元に証明してみせています。

並べに並べたウソに詭弁。消費税へのツッコミに言い訳並べる財務省

前回、6月9日の国会答弁で、衆議院議員の福田昭夫氏(立憲民主党)が、拙書の『消費税という巨大権益』を取り上げ、財務省を追及したという話をしました。

【関連】元国税調査官が激怒。天下の悪税「消費税」の真実と、財務省がついた大嘘の数々

今回も、その国会答弁の質疑内容と、著者の解説をしたいと思います。

大企業や富裕層から取るべき税金を消費税で穴埋め

福田議員

消費税が創設されてから法人税と所得税はどんどん下げられた。こういうふうに下げていったということが日本の財政を圧迫させたという認識はありますか?

財務省・住沢主税局長

まず所得税について申し上げますと、年収が5,000万円を超えるような高所得者で比較してみますと、我が国の個人所得課税の実効税率はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツといった国々よりも高い水準となっているのが実態でございます。

 

また法人税につきましては成長志向の法人税改革ということで課税ベースの拡大を行いながら税率を引き下げてまいりましたが現在主要先進国の中ではドイツと並んで、比較的高い部類に入っているということでギリギリこの国際的にそん色ない水準になっていると認識いたしております。

福田議員

それはあくまでも表面税率じゃないですか。大村君が言っておりますよ。個人所得税の実質負担率は日本はなんと7.2%、アメリカは12.2%、イギリス13.5%、ドイツ12.6%、フランス10.2%と主要国の中で断トツ(に低い)だとこう指摘していますよ。

 

それから法人税も、日本の法人税は名目上23.2%でありますが事実上は17%程度だと(大村氏は)こういっております。表面税率だけを比較して世界的に比べて高いとかいうことは理由にならないと思っています。令和3年度の決算では法人所得は実は租税特別措置とか子会社の益金不算入とかそういうことを除けば、なんと法人の所得は全体として99兆円もある、それからマイナス24兆円をして課税している。だから高いなんてのはまったくの嘘です。

筆者の見解

福田議員の「財務省の回答は表面上の税率を言っているだけで、実態は違うじゃないか」という発言について、財務省側の回答はありませんでした。回答がない、ということが、この質問への本当の答えだといえるでしょう。回答ができないのです。日本は、富裕層や大企業の税金が安く、大衆課税である消費税でその穴埋めを行っている、それを財務省は暗に認めたようなものなのです。

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多額の消費税輸出還付額が公表されない裏事情

福田議員

令和5年度の予算額を見ていただきますと、国と地方の消費税の収納見込み額はなんと40兆6,703億円であります。還付見込み額は10兆6,981億円であります。実に還付金は26.3%に上ります。これは誰にとってうれしいことなのか、悲しいことなのか、みなさんよく判断してみてください。

 

財務省はこれを世界標準だとばかり答えて実は総額さえ平成元年から公表しておりません。なにかやましいことがあるのではないかと疑わざるをえません。大村氏によれば輸出大企業は仕入れ税額を実際には仕入れ先に支払っていないのではないのかと、こう言っております。輸出還付金を支払っていないのに受け取っているのではないかとこう指摘しておりますがこれが本当ならこれ犯罪ですよ。大村君が言っております。こういうことはないんですか。

財務省・住沢主税局長

消費税の輸出還付でございますが、消費税は売上にかかる消費税額から仕入れにかかる消費税額を引くということでございまして仕入れの税額が超過する場合に還付が起こるわけでございますが、その原因が輸出取引なのかあるいは単に設備投資を行って還付が生じたのかということは区分して経理を行うような制度になってございませんので、公表はしていないということでございます。

福田議員

輸出大企業が仕入れるときには消費税をちゃんと払っているか払ってないか、払っていないのであれば払っていない、あるいは払っているなら払っていると言ってくれればいいんですよ。それだけの話ですよ。なんでそんな難しいことを言うんですか。

著者の見解

財務省の「輸出取引による還付と、設備投資による還付が区分して経理されていないから実態がわからない」という答弁は、明らかな詭弁です。輸出取引で消費税が還付される場合、輸出の証明書を提出しなければならないので、それを集計すればいいだけの話です。

もし、それも行っていないのであれば、とんでもない怠慢です。輸出取引における還付額の正確な数字さえわかっていないのであれば、税制に携わる資格などないはずです。筆者は、住沢主税局長に問いたいです。「本当に輸出還付額をしらないのか」と。

もちろん、財務省は「輸出による消費税の還付額」は把握しているはずです。これを公表しないのは、その額があまりに大きく、「輸出企業を優遇している」という世間の批判を起きるからでしょう。つまり、都合の悪い情報だから公開していないということです。いずれにしろ、犯罪級の所業です。

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「子育て世代は受益の方が大きい」という大ウソ

福田議員

(大村氏の著書によれば)消費税は少子高齢化の一因にもなっている。消費税は消費が多い世帯ほど負担が収入における負担割合が大きくなる、それは子育てをしている世帯と言える。子育て世代は児童手当を支給されているけれども児童手当を受けている子供は税金の扶養控除を受けられないので差し引きマイナスになってしまう。これは本当かどうかお答えください。

財務省・住沢主税局長

消費税は社会保障給付という形で家計に還元されておりますので、負担の面だけに着目して経済への影響を論じることは適切でないと考えております。児童手当と扶養控除の関係ですが、控除から手当という考え方のもと中学生までの年少扶養控除を廃止しまして児童手当の拡充が行われたわけでございます。

 

ただし多くの子育て世帯におきましては適用される税率が10%以下というのが現状でございますので実際上は児童手当をもらえる額の方が年少扶養控除が廃止された効果よりも大きいというのが実情でございます。

福田議員

ではこれは大村君の指摘が違っているという事ですかね。後でよく確認させていただきます。

著者の見解

筆者は、本書の中で単純に「児童手当の創設」と「扶養控除の廃止」を比較して、「扶養控除の廃止」の方が損であると述べているわけではありません。子育て世代は消費税の負担が大きい上に扶養控除が廃止されたので、児童手当でもらえる額よりも、はるかに大きな負担増になっていると述べているのです。

また住沢主税局長は、「子育て世代はいろんな社会給付を受けているので、受益の方が大きい」と言いたいようですが、それも詭弁です。

下のデータは、先進主要国の家族関係の社会支出のGDP比です。家族関係社会支出とは児童手当や就学前児童への給付、各種社会保障、社会福祉などへの支出のことです。

これを見ると、日本はヨーロッパ主要国に比べて、かなり低いことがわかるはずです。自由競争の国アメリカよりは高いですが、ヨーロッパ諸国と比べれば、ほぼ半額以下です。

世界でもっとも子育てにお金を使わなければならないはずの日本で、GDP比ではヨーロッパ諸国の半分しか予算が投じられていないのです。日本は公立大学の授業料なども高騰しており、日本の子育て支援は非常にお粗末なものなのです。

日本は、世界一のレベルで少子高齢化が進んでおり、早急に少子高齢化対策を行わなければならないはずで、何を差し置いても少子化対策に力を入れなければならないはずです。住吉主税局長には、このデータを見た上でそれでも「子育て世代は社会給付が大きい」と吐けるのか問いたいものです。

先進主要国の家族関係社会支出GDP比

 

日本       1.29%
アメリカ     0.65%
ドイツ      2.28%
フランス     2.96%
スウェーデン   3.54%
イギリス     3.57%

 

出典:国立社会保障・人口問題研究所「社会費用統計」

そして、日本が子育て支援をまともに行っていないため、子供の貧困化は先進国で最悪の状態になっています。下の表は、OECD34か国における子供の相対的貧困率です。相対的貧困率というのは、その国民の平均所得の半分以下しか収入を得ていない人たちの割合です。

この子供の相対的貧困率が、日本はOECD34か国中ワースト10位に入っているのです。

このデータは「相対的貧困率」とは言うものの、日本は現在、先進国の中で平均所得は低い方です。そのため、この数値が高いということは「子供の絶対的な貧困者の割合」もそれだけ多いということになります。

これらのデータを見れば、「消費税は子育て世代に恩恵をもたらしている」「子育て世代は社会給付が大きい」などとは口が裂けても言えないはずですが、住吉主税局長の見解を伺いたいものです。

OECDにおける子供の相対的貧困率34カ国中

ワースト10位

 

1位:イスラエル
2位:トルコ
3位:メキシコ
4位:チリ
5位:アメリカ
6位:スペイン
7位:イタリア
8位:ギリシャ
9位:ポルトガル
10位:日本
19位:フランス
23位:イギリス
24位:韓国

 

(出典厚生労働省「平成26年子供若者白書・第3節子どもの貧困」より)

(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2023年10月1日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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