日本は何もできない可能性大。“呪い”のフレーズ「台湾有事は日本有事」は本当か?

 

3.台湾有事はどのように始まるのか?

さて、台湾有事の場合はどうだろうか。中国は「台湾問題は核心的利益の核心」と主張している。しかし、それだけの理由で一方的に侵攻することはできない。台湾にいる中国人を守るため等の理由が欲しいところだ。

日本政府は台湾有事は日本有事と言っているが、一方で台湾の国家承認や国交正常化を行っていない。もし、中国政府が台湾海峡の航行の自由を保証すると宣言すれば、日本が台湾を助ける理由はなくなってしまう。国交のない国、国家として認定していない国を守るために、日本人の血を流すのかという議論が出てくるはずで、これは米国も同様だ。

もし、中国が台湾を攻撃した場合、米国はウクライナと同様に兵器等の支援を行うことになるだろう。日本もウクライナ支援に準じた形で台湾支援を行うことになる。

もし、中国が日本の米軍基地を攻撃した場合は、中国が日本を攻撃したことになるので、否応なく自衛隊は米軍と共に参戦することになる。中国は台湾と戦うのか。それとも、台米国、日本の連合軍と戦うのか。それは、中国の選択次第だ。

4.台湾の国家承認、国交正常化は可能か?

現在、米国も日本も一つの中国の原則を守っている。それが、中国が「台湾問題は内政問題」という理由だ。もし、日米両国が本気で台湾を守るのならば、台湾を国家承認し、国交正常化を実現すべきだろう。そうすれば、中国の台湾侵攻は他国への侵略行為となる。

その場合、中国は日米両国と国交断絶するか、それとも日米両国との国交は維持したままで、台湾の独立を認めるのか、の二者択一となる。やはり、選択権は中国にある。もし、中国が日米両国と国交断絶すれば、中国にある日米両国の企業資産は全て没収され、中国にいる日本人と米国人は全員人質に取られるかもしれない。

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