来年1月におこなわれる、日本のお隣「台湾」の総統選挙に世界の注目が集まっています。現在の総統である蔡英文氏が所属する民主党でも、また中国寄りの国民党でもない、第3の勢力が支持を伸ばしているようです。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、英国の「エコノミスト」誌の記事を引用しながら、現実味を帯びてきた「親中の総統誕生」の可能性について解説。世界一の親日「台湾」の行末を占っています。
台湾総統が親中派になる時
中国とどう付き合うかは多くの国にとって切実な問題です。
とくに台湾にとっては死活問題となります。そして来年1月に台湾総統選挙が行われます。
現在は独立派、民主進歩党の総統ですが、もし親中国の国民党の候補が勝てば、世界に衝撃が走るでしょう。 とても重要な選挙です、そこに第3の政党勢力が現れました。それについての英誌エコノミストの記事です。
記事
台湾は若い民主国家であり、直接の大統領選挙は1996年から行われている。
選挙は毎回、2つの主要政党によって争われている。
一方は中国との統一を望む国民党(KMT)、もう一方は独立を支持する民主進歩党(DPP)である。
しかし2023年1月に予定されている選挙に先立ち第3勢力が台頭している。
台湾民衆党(TPP)である。創設者であるコー氏は20~25%の支持率を獲得し、国民党の候補者と肩を並べている。
解説
台湾民衆党(TPP)の創設者である柯文哲(コー・ウェンチョー)氏の主張は国民党と民主進歩党の間です。しかし、どちらかといえば親中国よりなのです。
記事
コー氏は「台湾の政治が30年間にわたり無意味な統一と独立の論争に取り込まれてきた」と主張する。
アメリカは統一を許可せず、中国は独立を許可しないと考えているため、「若者、特に知識人は、解決できないことについて多くの時間を費やすのに疲れています」とも述べている。
そして自身の台湾民衆党の主張を「実用的な」代替案として位置づけている。
彼の台湾民衆党の中国に関する立場は国民党に近い。そして民主進歩党が中国共産党と直接対話できないことを批判している。
解説
台湾の人は、中国を恐れてもいますが、しかし今の政権のように対話がないのは問題だと考えています。
それで、台湾民衆党と国民党が候補者で一致できれば、来年1月の選挙で勝てるかもしれません。
11月24日が候補者選びの最終日です。統一候補がだせれば、台湾に親中国政権ができることが現実味を帯びます。
来年1月の選挙で台湾に親中国政権ができれば、世界に大きな衝撃を与えるでしょう。
参考
https://www.economist.com/asia/2023/10/26/taiwans-opposition-parties-are-struggling-to-unite
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