大谷翔平もお手上げ?日本の全小学校にグローブ6万個寄贈も「公園で野球できない問題」で“野球やろうぜ!”計画に暗雲

2023.11.10
by kousei_saho
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大リーグのロサンゼルス・エンゼルスからフリーエージェントとなっている大谷翔平選手が日本時間の9日、自身のインスタグラムを更新し、日本国内にあるすべての小学校およそ2万校に、ジュニア用グローブを1校につき3個ずつ、計6万個を寄贈すると発表した。「世界のオオタニ」の心意気に日本中の誰もが感動を隠しきれずにいるのだが、そんな大谷の「野球しようぜ!」という善意の呼びかけを、まさに掛け声だけに終わらせてしまいかねない状況が日本社会に広がっている。昨今の公立公園で見かける「野球・サッカー禁止」の看板や、近隣住民からの「うるさい」という苦情がそれだ。

インスタに綴られていた大谷の熱いメッセージ

短パンTシャツというラフな姿でキャッチボールをする自身と、直筆の「野球しようぜ!」というメッセージとサイン、そしてグローブの写真をインスタグラムにポストした大谷翔平。その写真には以下のようなメッセージが添えられていた。

この度日本国内約20,000校の全小学校に各3つのジュニア用グローブ約60,000個を寄贈いたします。

 

野球を通じて元気に楽しく日々を過ごしてもらえたら嬉しいです。

 

このグローブを使っていた子供達と将来一緒に野球ができることを楽しみにしています!

 

またご協力頂きました関係者の皆様に感謝申し上げます。

 
 
 
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ジュニア用グローブと言えども長期使用に耐えうるものであれば、今どきは1個1万円ほどはするのが相場。今回の場合、単純計算しても1万円×6万個=6億円ということになる。さすがは大谷、その太っ腹具合には感服するしかない。私腹を肥やすことしか頭にないどこぞの金の亡者とはワケが違うという話だ。

「公園や学校で野球ができない」という大問題

しかし、である。そんな大谷の心意気を台無してしまいかねない、日本の野球少年たちの熱意をくじく「ある問題」が浮上している。昭和時代に小学校生活を送った人間には考えられない「公園や学校で野球ができない問題」だ。

ここのところ、公園でこのような看板を目にした覚えはないだろうか。

「公園利用者および近隣に迷惑となりますので野球・サッカー等はやめてください」

運動するために公園を訪れた育ち盛りの小学生たちに、野球やサッカーは近隣住民宅の窓ガラスの破損や試合中の声による騒音、さらに他の利用者にとっても危険となるので禁止する、というのだ。

事実、東京・練馬区にある公園では、2017年の開園から6年間で、禁止事項などを記した看板が24枚も乱立していたことが新聞にも取り上げられるほど話題となった。


小学校のグラウンドでも禁止されつつある球技

もはや「静かにベンチに座るだけ」の場所になりつつある公園。それでは小学校のグラウンドはどうかというと、こちらにも近隣住民から「子供の声がうるさい」との苦情が入るという。そんな事情もあって校庭で野球を許されるのは休み時間のみという学校もあり、当然ながら9回までのフルイニング試合を行うことは不可能だ。公園でも学校でも球技ができないという現状、子供たちはどこで野球を楽しめるというのだろうか。

小学生時代から長年当たり前のようにプロ野球を観て育ち、2人の男児を育て上げたテレビ関係者は、近年の「公園での野球・サッカー禁止」という状況についてこう語る。

「言ってしまえば時代の流れなんでしょうけれど、地域全体で子供を育てていくという日本の伝統的な流れが断ち切られてしまったように思いますね。野球に関してい言えば、地上波でペナントレースの試合も放送されなくなりましたし、このままですと野球少年は絶滅してしまうんじゃないでしょうか」

国民的人気を誇る長寿アニメ『サザエさん』の作中でカツオは、中島くんの「磯野、野球しようぜ」という誘いに乗り、近所の空き地で野球を全力で楽しんでいた。そんな「昭和の風景」が観られなくなって久しいが、今や空き地どころか公園ですら野球を禁じられている現状にあって、大谷からグローブを送られる子供たちはどう対応すればいいのだろうか。いっそのこと、いつでも野球やり放題の「大谷翔平記念公園」を日本中に設置し、未来の球児たちを育てるといった思い切りも必要なのではないか。全国の自治体首長の検討を期待したい。

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