24時間テレビ寄付金ネコババは“氷山の一角”か?日テレや系列局の犯行を疑う声も…番組関係者「ギャラが高すぎて罪悪感」の深い闇

2023.11.29
by kousei_saho
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「地球を救う」ための募金は、スロット代や飲食費に消えていたようだ。日本テレビ系列に属する日本海テレビの幹部だった田村昌宏元経営戦略局長(53)が、「24時間テレビ」の寄付金などを10年間に渡り着服していたことが判明し大きな物議を呼んでいる。その総額は1,118万2,575円にも上るというが、中でも問題視されるのが、着服金に24時間テレビの寄付金264万円あまりが含まれていた点だろう。ここで浮上してくるのが、「寄付金の着服はこの案件だけなのか」という疑問だ。事実、ネット上では「氷山の一角では」「日テレや他の系列局でもやってるやついるだろ」といった疑惑の目が日本テレビ本社を含む系列局全体に向けられる事態となっている。そんな中、同番組の関係者からは「驚きの証言」が飛び出した。

社内の立場を利用し寄付金を金庫から抜き取り

寄付金着服の事実が公になったのは28日。日本海テレビが会見を開き、同社の田村昌宏元経営戦略局長が14年から今年までの10年間、24時間テレビの寄付金264万円あまりを含む1,118万2,575円を着服していたと発表した。謝罪とともに、田口晃也会長は引責辞任を、西嶌一泰社長は報酬3カ月分の全額返上をそれぞれ表明している。

会見によると、24時間テレビで集められた寄付金は、金融機関に運び込むまでの間、日本海テレビ内の金庫に保管されていたという。2014年に経理部次長に昇進し、その後も経理経営部門に籍を置いていた田村元局長は、件の金庫を開けることができる立場にあった。元局長は14年~20年、23年に、金庫から盗み出し自身の口座に入金するという手口で計8回、寄付金を着服したとされる。21年、22年はコロナ禍の影響で寄せられた金額が少なかったため、手を出さなかったと伝えられている。

「自分の口座の残高が増えるのを見るのが好きだった」

そんな「犯行」は、田村元局長の申告により発覚した。今月行われる税務調査で着服が露呈することを恐れた元局長が、9日に自ら会社に申し出。その後の社内調査で全容が明らかになる。調査過程で元局長は「2014年当時、親族のためにまとまった金を用立てる必要があった。着服しても発覚しにくいお金があり思いついた」と話しているという。

「自分の口座の残高が増えるのを見るのが好きだった」という彼が着服金をどう使っていたのかは現時点で判明していないが、「後輩たちを連れてよく飲みに歩いていた。スロットも好きだった」と話しているといい、遊興費に当てられた可能性が高いと見るのが妥当だろう。

日本海テレビは27日付で田村元局長を懲戒解雇処分とし、警察に被害を相談。刑事告発も検討しているという。

寄付金着服は恒常的に行われているのか

ここで浮上してきたのが、「24時間テレビ寄付金の着服」は今回の日本海テレビだけではなく、日本テレビ本局や系列局で恒常的に行われているのではないか、という疑惑だ。ネット上にはこんな書き込みが溢れる始末となっている。





多くの人が疑いの目を向けているのは明らかだ。

ギャラの高さに罪悪感を覚えた番組制作関係者も

以前より、その偽善性が指摘されてきた24時間テレビ。愛や福祉、ボランティアの尊さを強調し続けてきたが、番組サポーターを務めたお笑いタレント・宮川大輔の多目的トイレ不倫疑惑や、もっぱら「高額」と噂される出演タレントのギャラ、さらには旧ジャニーズ事務所との癒着を思わせるジャニタレだらけの番組構成等々、カネと偽善のニオイがプンプンと漂ってくるのもまた事実だ。

同番組内で、旧ジャニーズ事務所に所属するタレントの出演シーンの制作に関わったことがある業界関係者はこう語る。

「私を含めた制作陣に対するギャラが高額なのには驚きました。当時、他局を含めワイドショーをメインに仕事をしていたのですが、24時間テレビのギャラは時給換算にして他の番組の倍くらいはありましたね。チャリティーを謳う番組でこんなにお金をもらってしまっていいのか、という罪悪感まで覚えたほどです」

日本テレビ本局や系列局での「寄付金ネコババ疑惑」について尋ねると

「自分は24時間テレビのチャリティー現場の制作に携わった経験はありませんが、寄付金に関しては、日テレ本社はかなり厳しく管理していると聞いたことはあります。しかしながら管理の甘い地方局では、今回の日本海テレビのような事例は十分起こりうると思います」

と答えた上で、こう付け加えた。

「そもそも論なんですが、テレビ局員や制作プロダクションの社員が高いモラルを持ち合わせているかというと、疑問符が浮かんでしまいます。パワハラなんて日常茶飯事な業界ですから、金銭面のモラルが著しく低い人間がいても、何ら不思議はないですね」

しばしば「1匹見たら30匹はいると思え」と言われる害虫Gだが、今回の日本海テレビ「寄付金着服事件」が、稀にしか起こり得ない例外的なケースだと言われて信じる日本人がどれだけいるだろうか。ネット上では「氷山の一角という言葉もありますし」「もっと深堀りして調べろよ日テレ」といった声が多く上がっているのがその証左だ。それでも来年の夏には、黄色いTシャツに身を包んだ人間たちが、募金箱を手に頭を下げる姿がテレビに映し出されるのだろうか。先日鬼籍に入った『サライ』作曲者の一人である谷村新司氏も、宇宙のはるか彼方プレアデス星団から、この騒動を哀しい目で見つめているに違いない。

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