スラップ訴訟で次々と敗訴。「言論の萎縮」という思惑が外れた旧統一教会

 

本村弁護士の発言について「前提事実の重要な部分は真実である」と認められる

裁判後に行われた会見のなかで本村弁護士は「(判決文には)札幌地裁の判決が、札幌高裁・最高裁においても維持されているとあり、これらの事実を総合して『裁判所の判断として原告の統一教会活動が違法であると認定されている』という私の発言の前提事実の重要な部分は真実であると認められたということです」と話します。

訴訟代理人である御船剛弁護士も「今の点が重要な理由ですが、統一教会側(の主張)は札幌地裁判決を始めとした過去の民事事件の判決で違法とされた勧誘行為は信者の行為であって、統一教会自体の行為ではないとしています。この事件においても、そういうロジックだから、原告(教団)の行為が違法とされたわけではないのにもかかわらず、本村さんの発言で原告自体の関与行為が違法とされたことを強調していました。しかし今回の判決では、それが完全に否定された感じです」といいます。

以前から旧統一教会は、教団名を隠した正体隠しの布教活動や霊感商法は、信者らが勝手にやったことで、教団本部は関係ないという立場をとっています。しかしもはやこうした主張は通らない状況ですが、それも、その主張を延々と繰り返し続けています。

おそらく、解散命令請求の裁判でも同じ主張を続けるのでしょうから、もはや敗訴という結果になると思われますので、解散命令の日は着実に近づいてきているといえます。

旧ジャニーズの被害者への対応を、旧統一教会は習うべきとの指摘

全国統一教会対策弁護団は、旧統一教会との集団交渉を行っていますが、教団側は「除斥期間・消滅時効にかかったものは不当な請求であり、応じられない」としています。

しかし、弁護団は「各通知人には請求できなかった事情があること等を考えると、権利行使できないとすることは著しく正義に反する」などとして「除斥期間・消滅時効は主張すべきではない」としています。

会見のなかでも指摘されていましたが、旧ジャニーズ事務所は、過去の性被害を受けた人たちに対して時効は関係なく、すべての人に賠償する形で救済に向けて動いています。それが本当に被害者に向き合う側の姿勢であるといえます。
こうした姿勢に習うべきだと思います。

しかしながら残念なことに、その姿勢はまったくみえていません――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年1月28日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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