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松本人志「勝ち目ゼロの裁判」ついに始動。「筆舌に尽くしがたい精神的損害」に“お前が言うな”の総ツッコミ、松本信者の勘違いだけが加速中

昨年12月27日発売の『週刊文春』掲載の記事で報じられた自身の性加害疑惑を巡り、1月22日に版元の文藝春秋を相手取り、5億5,000万円の損害賠償を求め名誉毀損の訴えを起こしていた松本人志60)。各種報道では15日の時点で文春サイドに松本からの訴状が未達であるとのことだったが、同日夕、第1回口頭弁論が3月28日に行われることが分かった。朝日新聞などが報じた。

松本側は「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」などと主張しているというが、ネット上にはこれを批判する書き込みが続出。さらに多くの法律の専門家らが、この訴訟について「松本圧倒的不利」の見解を示し、巷では「松本が代理人の弁護士に騙されているのではないか」との声までが上がる事態となっている。この裁判、いったいどのような経緯を辿るのだろうか。

「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」に「お前が言うな」の大合唱

松本の裁判始動の報道を受け、ネット上はさまざまな書き込みがあふれている。

《訴状、とうとう届いたね。。。》

《クソ文春、震えろ》

《松ちゃんの無罪がいよいよ証明される》

といった声ももちろんあるが、

《松本信者が訴状届いただけで勝った気になってて草》

《5億円はふっかけすぎだな。裁判官の心証も悪いだろ》

《筆舌に尽くしがたい精神的損害っていうのは被害女性側のセリフだろ》

等のポストが圧倒的多数を占めている。

「文春さんの報道姿勢を問題視するよりも、松本さん側の『加害者による被害者ヅラ』に対する違和感を抱く人が多いということでしょう」

こう語るのは40代のネットメディア編集者。松本の「被害者ムーブ」が反感を買っているという指摘である。事実、上に挙げた「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」という主張に対する反発はかなりの数にのぼる。「お前が言うな」という趣旨の書き込みだ。それでも強いて松本が受けた「精神的損害」を上げるとしたら、考えられるのは以下の点だろうか。

女衒芸人からバカにされていた松本

一連の『週刊文春』の報道で期せずして判明してしまったことといえば、松本が頂点に君臨していた「セックス上納システム」のいちパーツとしてこき使っていた女衒芸人たちが、実は松本のことをバカにしていたこと、ではないだろうか。文春砲「六の矢」では、かつて女衒芸人を務めていた名古屋よしもとの元芸人がこのように語っている。

「『ロンドンブーツ1号2号』や『ナインティナイン』は若者から絶大な人気があって、自然と女性たちが集まっていました。でも、松本さんは僕たちのような後輩芸人が人海戦術で集めないといけない」

松本はロンブーやナイナイに比して人気が低く、飲み会に参加してくれる女性を探すのには苦労しているとするこの発言は、あからさまではないが松本を小馬鹿にしたものと見て差し支えない。

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さらにこの元芸人は続く「七の矢」でもこんなことを打ち明けている。

「私は売れるために松本さんに女性を調達していました。ところが、それは簡単なことではない。後輩芸人たちは『女の子が集まらなくてしんどい』と愚痴を言い合っていました」

元芸人だけでなく多くの後輩芸人たちが、松本と同席OKの女性が集まらないと話していたという。松本にとってはバカにされたどころか、この先一生ボディブローのように効いてくる「初めて知った現実」だろう。

松本のことをバカにしていたのは後輩芸人たちばかりではない。やはり「七の矢」では、松本のことをよく知るという元吉本社員のこんなコメントが紹介されていた。

「モテモテだった2丁目劇場の時代から時が止まっているのではないか。齢50を超え、システマティックに20代の一般女性を相手にしていれば、トラブルは必然でしょう。彼らはダウンタウンの全盛期を知らないわけだから。お笑いのキングが聞いて呆れる。芸人なら、まずはその場で笑わせろよって話ですよ」

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これらを松本は「精神的損害」と受け止めたのだろうか。

松本を見て「驚いたふり」をする練習も

当稿の執筆にあたっては、前出の40代ネットメディア編集者のほかにも複数のメディア関係者に話を聞いた。そんな中で2点目の「精神的損害」となりうる報道内容を挙げたのは、バラエティ番組の制作経験もある50代のテレビ関係者だ。

「文春さんの記事を読んで『これは松本さん恥ずかしいだろうなー』と思ってしまったのは、飲み会に参加させられた女性たちが松本さんを見たときに“驚くふり”をすることを頼まれていた、という箇所ですね」

確かに「二の矢」には、福岡の「性の宴」に参加させられた女性のこんな証言が掲載されている。

「松本さんは私たちのような素人に『わー!』と驚かれるのが好きなのだそう」

そのため、この会の女衒を務めたお笑いコンビ「パンクブーブー」の黒瀬純(48)からは事前に、「『松本さんがいるとは知らない体(てい)で部屋に入ってね』と念を押された」という。

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「驚いたふり」は飲み会では必須だったようで、「三の矢」でも同じ福岡で友人が松本のお相手を務めたという女性がこう語っている。

「夜7時半、F子さんは友人にLINEで次のように実況中継している。

〈松本人志がいることを知らずに部屋に入って驚くリハーサルしてる〉

携帯電話を見ながら、F子さんが明かす。

『事前にYさんから松本さんと飲むことは知らされていたのですが、『知らない体(てい)にして』と言われました。ドアを開けた瞬間、びっくりして一度閉める練習までさせられたのです』」

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「松本さんのプライドの高さは有名ですから、女性が『驚いたふりをする練習までさせられている』なんて知って相当へこんだと思いますよ」(テレビ関係者)

しかも実況までされていたとなると…、これも「精神的損害」と受け止めたのか。

ヤラセではなかった「異常なドケチぶり」

大手週刊誌での執筆経験を持つ50歳の元記者男性が注目したのは、ドケチぶりがバレたという点だ。

「松本さんは『ガキ使』などの出演番組でたびたびその“ケチっぷり”が取り上げられてきましたが、正直それはネタ半分じゃないかと思っていた視聴者が多いと思います。それが今回、フライデーさんの『馬乗り写真記事』で本当だったとバレてしまいました」

元記者男性が言う記事とは『FRIDAYデジタル』が1月25日に配信した「スクープ!『上に乗ってもらうのが好きなんや』 松本人志『乱痴気飲み会ウマ乗り写真』を独占入手!」で、掲載された大阪の高級ホテルで撮影された写真に、テーブル上に置かれた「つまみ」が映り込んでいる。

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これがネットで大炎上したのは記憶に新しい。

《見事な貧乏つまみ》

《億稼いでる芸人が女を口説く飲み会で用意するつまみか》

《これがスイートルームででてきたら萎えるだろうな》

中にはつまみを細かく「分析」した書き込みも見られた。

《松本人志 合コンセット

・きのこの山 227円
・じゃがりこ 明太子チーズもんじゃ味Lサイズ184円
・ローソン キャンディチーズ プレーン 275円
・ローソン 6Pチーズ プレーン 264円
・ローソン セレクト ピーナッツ揚げ 108円

合計 1058円》

さらに松本はかねてからカップ麺「どん兵衛」好きを公言しているとされるが、日刊ゲンダイのこちらの記事では異常な「どん兵衛愛」も発覚。一夜を共にした女性に対する振る舞いとして、松本のこんな行動が記されている。

「『お腹すいたやろ?』と『どん兵衛』に湯を注いでくれたとか」

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「自分からネタにしている分には何の問題もないんでしょうけれど、映り込んだつまみでケチっぷりがバレるというのは松本さん的にかなり恥ずかしいのではないかと思うんですよね」(元記者男性)

これも「精神的損害」と受け止めたのか。しかしこれらとてすべては松本の「身から出た錆」でしかないのは言わずもがなである。

法律家が「松本圧倒的不利」と予測する訳

いずれにしても「精神的損害」を受けたとして5億円を超える慰謝料を求めた松本。これに対しては「自身の価値を過大評価しすぎている」との見方もあるようだ。

この裁判に関して多くの法律の専門家は、「名誉毀損」で訴えた松本の不利を予想。多くのバラエティ番組出演でも知られる本村健太郎弁護士(57)は、1月15日に出演した「かんさい情報ネットten.」(読売テレビ)で、「週刊誌側はまず、記事の内容が真実だと立証し、それで証明できれば終わり。証明できなくても、女性から十分に聞き取って『間違いない』と確信できる事情があれば、週刊誌側が勝訴する」との見立てを語っている。

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さらに橋下徹氏(54)までが、「今やってる裁判って名誉毀損の裁判なんです。だから、名誉毀損で訴えられた出版社として、何を主張しないといけないかというと、きちんと取材を尽くしましたよ、という点なんです」とした上で、「性加害があったかどうかっていうところで仮に報道が間違っていたとしても、出版社側は『表現の自由を守る』って民主国家の大原則なんですけども、取材を尽くして、事実を信じるに相当な理由がありましたねってことになると、出版社が勝つんですよ」と主張。

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松本側が設定した5億5,000万円という慰謝料も、相場的にはあまりに非現実的だとの指摘もある。佐藤みのり弁護士(38)はオトナンサー編集部の取材に、「名誉毀損の事案では、精神的損害として、慰謝料の請求をするのが一般的です。その相場は、100万円程度」として、「名誉毀損訴訟の慰謝料相場から考えて、全額の支払いが命じられる可能性はないでしょう」と答えている。

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「名誉毀損だから勝てる」の無理筋

では、「文春が松本の名誉を毀損したのは事実、なので名誉毀損の訴えである今回は松本が勝てる」との一部主張は正しいのだろうか。

残念ながらそれも容易ではない。というのも松本は大阪・関西万博のアンバサダーやニュースバラエティ番組のMCを務め、さらに政治家との交流なども多く、大きな社会的影響力を行使してきたのは誰もが認めるところ。つまり、限りなく公人に近い準公人(みなし公人)にあたると考えられるからだ。

その準公人の好ましからざる行動を、被害女性への取材により彼女らの主張を伝えた『週刊文春』の記事には公益性、事実相当性があるだろう。「名誉毀損」でも松本が容易に勝てないと判断される理由である。

「仮に名誉毀損で勝てたとしても、芸能界復帰は絶望的でしょうし、何よりスポンサーは戻ってこないでしょうね」

前出のテレビ関係者はこのように話す。

「娘や妻の家族に対する顔向け、『松本勝訴』というメディア印象操作の一つのピースとして、松本さんサイドは何かしらの“勝ち点”がほしいのかも知れませんが、ここまで具体的な被害女性たちの証言が上がってきてしまった今となっては、状況は厳しいのではないでしょうか」(同前)

あらゆる状況において、実質的に「松本の負け」は確定的なようだ。

「松本は弁護士に騙されているのではないか」との声も

この裁判についてネット上で多くのユーザーが上げているのが、「松本が代理人の弁護士に騙されているのではないか」との声だ。そもそも、多くの法律家が「圧倒的不利」と予測し、さらに上述のように勝利したとしても実質負けでしかない訴訟をなぜ起こしたのか。これについては前出の40代のネットメディア編集者が、「弁護士の“着手金”に注目すべきではないかと思います」と言う。

第二東京弁護士会のサイトによると着手金とは「結果にかかわらず弁護士が手続を進めるために着手時に支払う費用」で、「法律相談センターで法律相談を受けた結果、相談担当弁護士に民事事件を依頼する場合の目安」として損害賠償請求額が3億円を超える場合は2%とあるため、それを当てはめれば5億5,000万円を請求している今回の裁判では、単純計算で1,100万円以上の着手金を弁護士が手にしていることになる。

第二東京弁護士会

「勝っても負けても着手金は弁護士のものですから、それ目当てとの声も当然上がりますよね」(同前)

さらに弊サイトでも既報の通り、今回の裁判で松本の代理人を務める、東京地検特捜部出身の田代政弘弁護士(57)は、小沢一郎衆院議員(81)の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件、いわゆる陸山会事件に検察官として関わっていた際、虚偽公文書作成及び行使罪で告発されるも不起訴となり、法務大臣からは懲戒処分を受け検察官を辞職したという経歴を持つ。そんな背景もあり、「松本は騙されているのではないか」との声が上がっているのだ。

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今後、田代弁護士はメディアに露出する機会が増えることは容易に想像できるが、過去の経歴を含めネット上や世間から袋叩きにあうのもまた想像に難くない。当然ながら世論の支持を得るのは難しく、松本にとってこれほど頼りがいのない味方はいないのだ。

それでも「信者」は松本の勝ちを信じるのか

かような状況下においても、盲目的な“松本擁護”をやめようとしない「信者」たち。彼らについては陰謀論を信じ込む「Qアノン」になぞらえ、「松アノン」という呼び名すら広がりつつあるのが現状だ。そろそろ目を覚ましたらどうだろうか。

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image by : 松本人志 吉本興業公式サイト

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