3月11日に総選挙のはずが動きなし。北朝鮮から漂ってきた「きな臭さ」

April,26,,2019,-,Vladivostok,,Primorsky,Krai,-,North,Korean
 

独裁体制の北朝鮮でも5年ごとに実施されている代議員選挙。予定では今年3月11日に行われるはずが、2月半ばの時点で何の告知もないという異常事態となっているようです。今年に入って能登半島地震に触れた異例のメッセージを発信したかと思えば、韓国にはかつてないほど強硬な姿勢を示す金正恩総書記の思惑はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、国民の関心を外へと向けたい北朝鮮の国内事情を解説しています。

知られざる北朝鮮の選挙事情

ぶっちゃけ、今年は世界的な「選挙の年」です。60を超える国々で大統領選挙や議会選挙が予定されています。

最も直近となる2月14日に行われたインドネシアの大統領選挙では、プラボウォ国防相がウィドド大統領の後継者として当選を果たしました。現在72歳ですが、3度目の挑戦で投票総数の6割近くを押さえる圧倒的な強みを発揮。

スハルト独裁政権の軍幹部として活躍し、人権侵害の疑惑が付きまとっていましたが、選挙集会でダンスを披露すると思えば、可愛らしいイメージキャラクターを活用するなど、親しみやすさを演出した選挙戦が功を奏したようです。

一方、「選挙などあるの?」と、疑いの目で見られているのが独裁体制を維持している北朝鮮に他なりません。しかし、おっとどっこい、最高人民会議の議員選挙が5年ごとに行われているのです。現在の議員の任期は3月10日に終わります。

そのため、3月11日には総選挙が予定されていました。というのも、新たな最高人民会議は3月22日に召集されることになっているからです。

ところが、2月も後半に入ったにもかかわらず、選挙の告知も候補者リストの公開もありません。何やらきな臭いにおいが漂っているのが、昨今の北朝鮮と言えそうです。

そういえば、金正恩総書記はこのところ韓国を「最大の敵国」と名指しし、「南北統一に向けての話し合い」を一方的に破棄。首都ピョンヤンに聳えていた「統一記念碑」も爆破する有様でした。

実は、北朝鮮の憲法にはこれまで平和的な交渉を経て、南北の統一を実現する旨が明記されていました。しかし、金正恩氏の鶴の一声で、そうした融和的な政策は破棄されてしまったのです。

去る1月の最高人民会議での演説において、金正恩氏は「もし韓国が0.001ミリでもわが方の領土、領空、領海に入った場合には、宣戦布告と見なす。核兵器の使用を含め、韓国をせん滅する」と宣言しました。

これまでにない強硬な姿勢に世界は驚かされています。一体なぜ、そこまで韓国を敵視するのでしょうか?どうやら金正恩氏は日常生活が一向に改善しないため国民の間で金王朝への不満と不信が渦巻いていることへの危機感を強めているとしか思えません。

ミサイル発射実験には熱心ですが、食料、医薬品、電力の不足に加え、公務員の給料の遅配も深刻化し、脱北者や事故の件数も急増しています。これでは選挙どころではなく、非常事態と称して、国民の関心を外に向けるしかありません。

ぶっちゃけ、「窮鼠猫を噛む」ではありませんが、韓国への侵攻が懸念されるばかりです。

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image by:Alexander Khitrov/Shutterstock.com

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【著者】 浜田かずゆき 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

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