2020年の憲法改正により、2036年まで大統領の座にとどまり続けることを可能にしたプーチン大統領。そんなロシアの独裁者は、さらなる野望の実現を虎視眈々と狙っているようです。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田さんが、プーチン氏は「終身皇帝」のみならず「プーチン王朝」の確立をも目指していると指摘。さらに現在9歳の息子に期待を抱いているという理由を独自の視点で解説しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです
プーチン大統領が9歳の息子に拘る理由:9世紀の日本に学ぶ
ぶっちゃけ、ロシアでは3月15日から17日まで大統領選挙が予定されていますが、プーチン大統領の圧勝が決まっているようです。
事前の世論調査では有権者の8割から9割が「プーチン続投」を支持している模様。
確かに72歳ですが、元気にあふれており、高齢者としての限界を感じさせない強気の姿勢が目立ちます。
このままいけば、ソ連、ロシアの時代を通じて、間違いなく「最高指導者としての最長記録」を打ち立てることになるでしょう。
大統領選挙を目前にし、プーチン氏は全国民に向けたテレビ演説をぶちました。
曰く「もしアメリカがウクライナへ兵力を投入するならば、ロシアは核の力で応戦する」。
アメリカやNATOへの強かな牽制球に他なりません。
とはいえ、彼はいつまで権力の座に拘るつもりでしょうか。
実は、プーチン氏は「終身皇帝」の座を狙っているだけではなく、「プーチン王朝」の確立も目指している雰囲気が伝わってきます。
ウクライナの諜報機関が傍受したロシア政権内の極秘通信によれば、プーチン大統領はウクライナ戦争の終結後の計画を虎視眈々と描いているとのこと。
ウクライナのキーウ政権を打倒した後、ロシアはヨーロッパ全域を支配下に置くために、ポーランドからバルト三国に至るまで、各地で暴動を起こし、欧米寄りの政権を葬り去ることで、大ロシア帝国の復活を意図しているようです。
そうした「ロシアの夢」を実現したプーチン氏を頂点に、未来永劫にわたり「プーチン支配体制」を構築しようという遠大な企てに他なりません。
そのためにも、自らが100歳を越えていくのみならず、2世、3世へと権力のバトンタッチを目論んでいるように思えてなりません。
彼には成人した2人の娘に加え、9歳と5歳の息子や未確認の子供が何人かいるようです。
しかし、その中で、彼が一番期待しているのが9歳の息子と目されています。
プーチン大統領は中国や日本の歴史にも深い関心を寄せているわけです。
健康長寿のための「茶の湯」は当然として、9世紀の日本では清和天皇が9歳の時に即位した史実にも興味を抱いていると言われています。
また、中国の唐代、太宗が第2代皇帝を務めた時代は「貞観の治」と呼ばれ、強力な皇帝権力のもとで政治が安定し、国家経済が大きく繁栄を誇ったため、「理想の時代」として伝説化しているほどです。
そうした日本の天皇家の歴史を紐解き、自らの「プーチン王朝」への想いを温めているに違いありません。
ぶっちゃけ、万が一のことがあっても、9歳で即位した清和天皇にちなんで、自身の9歳の息子を担ぐ可能性も秘めているわけです。
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