中国の国有企業「東風集団」が赤字に転落。なぜ“ホンダと日産の不調”が原因なのか?

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中国の国有企業である「東風集団」。傘下に東風ホンダ、東風日産という日系メーカーを抱える同集団が、2022年の2,000億円以上の黒字から一転、23年の最終損益が800億円を超える赤字となったことが伝えられています。その原因はどこにあるのでしょうか。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』が今回、国有企業を直撃した「報われない価格戦の影響」を解説しています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

中国の国有企業「東風集団」が23年は赤字転落。ホンダ、日産とNEVが原因

中国国有メーカー東風集団は2024年3月8日、2023年の最終損益は2022年の102.65億元(約2,098億円)の黒字から、40億元(約800億円)を超える赤字となると発表した。

注目すべきは、東風汽車ではなく、東風集団であること。つまり、日系の東風ホンダ、東風日産も関わっている、というより、現状はこの両日系が主力の企業と言っても良い。

「巻き」による報われない価格戦の影響が、中国国有企業を直撃した形。

東風の最終利益

東風集団はここ10年、毎年100億元(約2,000億円)以上の最終利益を上げていた。しかし2023年6月期の中間決算で最終利益は12.7億元(約260億円)にとどまり、前年比で急減していた。

ただ、中間決算の最終利益が低めに出ることは今までもあったことで、今回の発表まで、業界でもまさか赤字転落になるとは思いもよらなかった。

東風集団は今回の赤字転落について、二つの要因を挙げている。

ホンダ・日産の不調

一つは、東風ホンダ、東風日産の合弁が価格競争に巻き込まれ、かつ販売が伸び悩んだこと。東風集団の合弁は他に仏シトロエンなどもあり、これも不振だが、そもそも販売台数が極めて少なく、無視できるほど。

2023年から始まった中国自動車業界の価格競争は2024年も厳しさを増している。

数年前まで10万元(約200万円)を超えていた東風日産の完全な主力であるコンパクトセダン「シルフィー」は現在、エントリーで8万元(約160万円)台になっている。

また、両合弁の販売台数は2023年、前年比で東風ホンダが-6%、東風日産が-18%となっている。

NEVも不振

もう一つの要因は、オリジナルの新エネルギー車(NEV)が依然としてスタートアップ期であること。

東風集団の傘下には、ハイエンドNEVブランド「嵐図(VOYAH)」、ハイエンドオフロードNEVブランド「猛士」、ミニBEV「納米」などがあるが、いずれも販売台数は大きくなく、収益など望みようがない段階であることがある。

挽回厳しく

ここ数ヶ月、VOYAHや猛士でファーウェイと連携しているが、すぐに効果が発揮される見通しはない。

ホンダ、日産の両合弁のNEV強化も遅々として進まない状況であるし、客観的に言うと不得手なNEVよりはHEVを伸ばした方が得策だと思われる。

2024年も2023年と状況は変わりそうもなく、2期連続赤字に陥る可能性が指摘されている。

株価も大幅に下落しているものの、中央国有企業としては、国有資産を目減りさせるわけにはいかないというプレッシャーとも戦わなくてはならない。

出典: https://chejiahao.autohome.com.cn/info/14803205/

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